*試食タイム③ 09
●【No.009】●
試食タイムもいよいよ佳境。
更なる味の調整・改良が求められる重要な作業である。
さぁーて、果たして味のほどはどうかなぁ~?
俺の作ったチャーハンの味は美味しいのか、まずいのか、普通なのか、一体どっちなんだよぉ!!
レンゲから掬われたチャーハンがどんどん口の中に運ばれていく。
むむっ、あれほどの勢いで俺の作ったチャーハンを食べるとは……余程美味しいのか、いや、まずければ……まずあれほどの勢いで食べたりしないはずだ。
ここでヴァグドーさんたちが、どんどんチャーハンを食べていき、やがて全部食べ終わる勢いである。
「イトリンよ、このチャーハンもなかなかうまいではないか。 ふむ、コイツも食が進むわ。」
「はい、このチャーハンもなかなか美味しいですよね。」
「は~い、ラーメンと全く同じように美味しいですわねぇ~♪」
「はい、ありがとうございます。」
俺の作ったチャーハンも余程美味しかったのか、彼らも少し興奮気味に食べている。
みんなが美味しそうに食べてるのを見て、俺はとても満足している。
ヴァグドーさんたち全員があっという間に、チャーハンを全部残さず食べてくれたようだ。
チャーハンも好評であり、俺も「良かった」とそっと胸を撫で下ろした。
やがてヴァグドーさんや勇者アドーレさんたちだけでなく、カグツチさんやエクリバさんたちもが、俺の作ったチャーハンをすっかり食べ終えていた。
「いやぁ、このお米を焼いた料理もなかなか美味しかったわね。 みんな」
「ええ、これはやみつきになるかも♪」
「はい、この中華料理……なかなか侮りがたい味ですよね。」
俺の作ったチャーハンを食べ終えたカグツチさんやエクリバさんたちも、とても満足そうに感想を述べている。
カグツチさんやエクリバさんたちがチャーハンを食べ終えた頃には、ヴァグドーさんや勇者アドーレさんたちが、既に最後の料理・ギョウザを食べ始めていた。
ちなみにギョウザのタレも、既に俺が作っておいてある。 絶妙なバランスで作ったタレである。
まずはヴァグドーさんがタレをつけたギョウザを一口食べた。
「おお、なんと……このギョウザもなかなかうまいではないかっ!!」
このギョウザに関しては、食事の停止もせず、顔色の変化もなかった。 ここで何が正しいのか、基準がよく解らなくなった。
でも全部美味しいと言ってくれている。
「はい、このギョウザも普通に美味しいですね。」
この勇者アドーレさんの感想を聞いて、俺はピーンときたぞ。 そうなのか、全部普通に美味しいのかっ!!
「ええ、ホント美味しいわねぇ~♪ このギョウザも普通に……イケるわねぇ~♪」
やっぱり大魔女シャニルさんも同じ感想である。
おそらく、ラーメン・チャーハン・ギョウザ共に普通に美味しいだけであろう。
続けてカグツチさんたちも未知の食べ物・ギョウザを食べている。 このギョウザも予め食べ方を教えており、なおかつ、先に食べたヴァグドーさんたちを見ながら食べている。
「おお、この料理もとても美味しい!」
「はい、まだ少し熱いですけど、外がカリッとしてて、中がとてもジューシーですよね。」
「ふーん、中華料理ねぇ~ ダーリンたちがいた世界は、とても美味しいモノが食べられたのねぇ~」
うんうん、やっぱりここの世界の住人には、かなり好評で高評価を得ている。
結局、ギョウザまでも全員完食している。
ここで試食タイムが終了して、ラーメン・チャーハン・ギョウザの "美味データ" が採取できた。
ここからさらに味の改良をしていくつもりだ。
●【No.009】●
ここでいよいよストック切れです。
あとは不定期で投稿・更新します。
それでは宜しくお願いします。