*女神ベルダルディア① OW
ギギギギィィィィ―――
大きな石の扉が古く鈍い音を立てながら自動的に開く。
「………」
そこでポグルスが目にした光景とは、古代ギリシャ神話に出てきそうな古びた『玉座の間』、または『教皇の間』とも呼ばれる場所である。
一番奥に黄金でできた玉座があり、そこに謎の女性が座っている。 また謎の女性が座る黄金の玉座の目の前には、先程の黒い服を着た謎の男も立っている。
「あ、あいつは……?」
そこでポグルスも黒い服を着た謎の男の隣の場所まで歩く。 相変わらず黒い服を着た謎の男は無口のままだ。
「……」
現在の状況とは、その玉座の間の奥の方に黄金でできた玉座があって、そこに白い布の天使風な格好をした女性がピンク色のクッションを敷いて座る。 その目の前には、黒い服を着た謎の男と、青い服を着た男・ポグルスの二人が、横に並んで立ってる状況だ。
「ようこそ、女神の神殿へ」
玉座に座る女性が俺たちに話しかける。
「女神の神殿……?」
「そう…一応…あたし…女神…」
「……」
「それで俺たちは、一体なんでこんな所に……?」
「それはあなたたちが死んで、ここに飛ばされたからよ。」
「……」
「な、何っ!?」
俺の横にいる謎の男は、さっきから一言も話していない。 そこで俺がその男にも話しかける。
「おい、あんたもなんとか言ったらどうだ?」
すると女神が俺に言った。
「無駄よ。 彼は言葉を話せないわ」
「え………?」
「あなたもそうだけど、基本的に死んだ人間に言葉は話せないわ」
「……」
「え………?
じゃあなんで、俺は話せるんだ?」
「二人共、話せないんじゃあたしに質問できないでしょ? 相づちしてもらわないと、あたしの話を理解できたかどうかも解らないし、二人も居るんだから、話すのは一人だけで充分よ」
「じゃあなんで、俺の方なんだ?」
「さぁね、別にあたしが全て決めてる訳じゃないから、よく解らないわ。」
「じゃあ他にも女神が居るってことか?」
「そういうこと。
あなた意外に飲み込みが早いわね。」
「そ、そうなのか……?」
「だから、彼のことは無視してちょうだい。
置物みたいにね」
「……」
俺が彼の方を見るけど、彼は前方を黙って向いてる。 あとよく見ると、彼は目を閉じてる。 もしかしてコイツ、目が見えないのか?
改めて気を取り直す。
「え~と、あなたポグルスね。
あたしの名前は女神ベルダルディア。
ヨロシクね」
「……女神ベルダルディア?」
「そう…彼…あぁ、堕神坊ベルシェールトンの双子の姉にあたるわ」
「……堕神坊ベルシェールトン?」
「そう…あなたの目的の討伐相手よ」
「え………? ちょっと待った。
討伐相手って、一体なんだ?」
「まさか、タダで復活できないわ。
転生する者は、みぃんな目的と役割があるわ。 勿論、あなたにもね」
「だけど、その堕神坊ベルシェールトンって、あんたの双子の弟なんだろ?
俺が殺していいのか?」
「ええ、いいわ。
残念だけど、あの堕神坊ベルシェールトンは悪い子だから、討伐して一旦リセットしないといけないの。 お姉ちゃんの言うことも聞かないし、あの子は」
「なんだか、凄いな。
お仕置きか?」
「お仕置きなんて、生ぬるいわ」
「………」
「と言うことで、お願いできないかしら?
あの堕神坊ベルシェールトンを討伐するんなら、あとは自由に行動していいわ」
「……堕神坊ベルシェールトンか―――大魔王みたいなもんか?」
「実際には堕天使だけどね」
「……強いのか?」
「そりゃあ強いわよ。
ちなみに彼には、二体のドラゴンを味方にしているわ」
「ドラゴンか……」
「どう? やってみる?」
「そ、そうだな……」
俺は少し困った様子で考え込む。 その様子を見ていた女神ベルダルディアがニコニコしながら眺めてる。 あと隣にいる謎の男は相変わらず無言のままで、だんだん気配も無くなってきた。 すぐ隣にいるのに…だ―――
次回に続く。
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