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糸井久信(イトリン)  ~絶望老人が異世界転生をしたら、外伝~  作者: 賭博士郎C賢厳
*大魔王イザベリュータの章
32/64

*この人工物の謎に迫る OF

まだまだ日本に留まる大魔王イザベリュータ様。



 ここは日本の某所にある孤高な孤島。


 その孤島の密林(ジャングル)に迷い込んだ男女四人組。


 さ迷い歩いていくうちに、いつの間にか窓の無い小屋に辿り着く。


 そして彼ら四人は、その小屋の扉を()けてみた。












 当然、彼ら四人は小屋の中に入る。


 その小屋の中は真っ暗だけど、なんと床の真ん中に地下階段が普通にあって、彼らの持つ懐中電灯の明かりだけで、その階段を照らす。


「なんだ? なんで、こんな所に階段なんかあるんだ?」

「階段以外、何もないみたい」

「ねぇ降りてみる?」

「でもやばくない?」


 ここに、こんな小屋の中に、なんで地下階段などあるのか、不思議に思う男女四人組の若者たち。


 だが彼らが不思議に思うのも仕方がない。


 こんな孤島のこんな密林(ジャングル)の中にある一軒の小屋の中で、真っ暗な室内の真ん中の床下から、下に降りる階段があるなんて、明らかに不自然だ。



 だけど、こんな何もない小屋の中で、彼らが一晩過ごせるなど、とても思えない。


「おい、ここでこうしてるワケにもいかんだろ? この小屋には、こんな地下階段しかないんだから。」

「ん~、この下には、一体何があるんだろうか?」

「でも怖くない? 何か出そうで……」

「でも、このままこの中にいても、何か出そうな気がするけど……」


「よし、俺は決めた。 下に降りてみる。 お前たち残りたければ、ここに残ればいい。」

「いや、俺も行くぞ。 こんな所で何もしないワケにはいかんからな。」

「えっ、じゃあ私も行くよ。 こんな所に置いて行かないでよ。」

「ちょっと、私も行くわよ。 私も一人にしないでよ。」


「じゃあ、文句言わずに階段降りるぞ。」

「ああ、こりゃあ、話の()()になるかも」

「「は~い、わかったわよ」」


 そこで男性Aから先に地下階段を降りていき、後から男性B・女性C・女性Dと、どんどん階段を降りていく。


「おい、一体どこまで続いてるんだ? この階段は……?」

「ああ、不気味だぜ」


「「………」」


 もう女性二人は、怖くて声が出ない。


 そして階段の一番下まで降りると、狭く細い地下通路があり、左右の壁の上部には小型ランプが、天井にも蛍光灯が、それぞれズラリと並んで設置されており、通路も比較的明るくなっている。 しかも天井も壁も床もしっかり舗装されていて、明らかに人工的に造られた地下通路である。












 その地下通路をまっすぐ歩く男女四人組。 通路はただまっすぐのみで、角を曲がったり、道が左右に分かれたりとかは、一切ないので、 まず普通に迷わないだろう。


「この通路、やけに明るいな。 やっぱり誰かが造った通路だぜ」

「道はまっすぐだけか、あの小屋といい、さっきの階段といい、この通路といい、まるで誰かが俺たちのこと(おび)()せてるんじゃないか?」

「ちょっとやめてよね! そんなこというの!」

「そうよ! さらに怖くなるじゃない!」

「ひひひ」

「おい、騒いでないで先を行くぞ!」


 さらに彼らが通路をまっすぐ歩いていくと、行き止まりに大きな鉄の扉がある。 勿論、この扉も人工物だ。


「おっ、扉だぜ」

「おい、なんでこんな所に扉があるんだよ?」

「「………」」


 この男女四人組が扉の前まで来ると、なんと扉が勝手に自動的に、もの凄い音を立てながらゆっくり開いていく。


「えっ!?」

「扉が勝手に……っ!?」

「「……嘘っ!?」」


 ズゴゴゴゴォォォ………ドォーン!!


 なんと、その扉の向こう側には、まるで中世ヨーロッパ風のエントランス的な空間があって、正面奥の左右には昇り階段があり、天井にはシャンデリアが吊るされていて、左右の壁には何かのドアや白い柱の彫刻などがあったり、高価そうな絵画などが飾られたり、床には細長く赤い絨毯が敷かれている。

 とにかく豪華絢爛である。


「スゲエ! 別世界だぜ!」

「何なんだ……ここは……?」


「えっ、あそこ人がいる……?」

「あら、あの人達は一体……?」


 その大きな扉の内側の左右には、それぞれメイドのエクリシアとケイルデムの二人が立っていて、


「「ようこそ、我らが主イザベリュータ様のお屋敷へ」」


 と、エクリシアとケイルデムの二人が、メイドらしく頭を下げて、この男女四人組を出迎えるようにして、二人同時に声をかけた。




「小屋」も「地下階段」も「地下通路」も「大きな鉄の扉」も全部人工物。

ここから先は大魔王イザベリュータ様の登場もあるかも?

まぁどちらにしても次回もお楽しみに。

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