*この人工物の謎に迫る OF
まだまだ日本に留まる大魔王イザベリュータ様。
ここは日本の某所にある孤高な孤島。
その孤島の密林に迷い込んだ男女四人組。
さ迷い歩いていくうちに、いつの間にか窓の無い小屋に辿り着く。
そして彼ら四人は、その小屋の扉を開けてみた。
当然、彼ら四人は小屋の中に入る。
その小屋の中は真っ暗だけど、なんと床の真ん中に地下階段が普通にあって、彼らの持つ懐中電灯の明かりだけで、その階段を照らす。
「なんだ? なんで、こんな所に階段なんかあるんだ?」
「階段以外、何もないみたい」
「ねぇ降りてみる?」
「でもやばくない?」
ここに、こんな小屋の中に、なんで地下階段などあるのか、不思議に思う男女四人組の若者たち。
だが彼らが不思議に思うのも仕方がない。
こんな孤島のこんな密林の中にある一軒の小屋の中で、真っ暗な室内の真ん中の床下から、下に降りる階段があるなんて、明らかに不自然だ。
だけど、こんな何もない小屋の中で、彼らが一晩過ごせるなど、とても思えない。
「おい、ここでこうしてるワケにもいかんだろ? この小屋には、こんな地下階段しかないんだから。」
「ん~、この下には、一体何があるんだろうか?」
「でも怖くない? 何か出そうで……」
「でも、このままこの中にいても、何か出そうな気がするけど……」
「よし、俺は決めた。 下に降りてみる。 お前たち残りたければ、ここに残ればいい。」
「いや、俺も行くぞ。 こんな所で何もしないワケにはいかんからな。」
「えっ、じゃあ私も行くよ。 こんな所に置いて行かないでよ。」
「ちょっと、私も行くわよ。 私も一人にしないでよ。」
「じゃあ、文句言わずに階段降りるぞ。」
「ああ、こりゃあ、話のネタになるかも」
「「は~い、わかったわよ」」
そこで男性Aから先に地下階段を降りていき、後から男性B・女性C・女性Dと、どんどん階段を降りていく。
「おい、一体どこまで続いてるんだ? この階段は……?」
「ああ、不気味だぜ」
「「………」」
もう女性二人は、怖くて声が出ない。
そして階段の一番下まで降りると、狭く細い地下通路があり、左右の壁の上部には小型ランプが、天井にも蛍光灯が、それぞれズラリと並んで設置されており、通路も比較的明るくなっている。 しかも天井も壁も床もしっかり舗装されていて、明らかに人工的に造られた地下通路である。
その地下通路をまっすぐ歩く男女四人組。 通路はただまっすぐのみで、角を曲がったり、道が左右に分かれたりとかは、一切ないので、 まず普通に迷わないだろう。
「この通路、やけに明るいな。 やっぱり誰かが造った通路だぜ」
「道はまっすぐだけか、あの小屋といい、さっきの階段といい、この通路といい、まるで誰かが俺たちのこと誘き寄せてるんじゃないか?」
「ちょっとやめてよね! そんなこというの!」
「そうよ! さらに怖くなるじゃない!」
「ひひひ」
「おい、騒いでないで先を行くぞ!」
さらに彼らが通路をまっすぐ歩いていくと、行き止まりに大きな鉄の扉がある。 勿論、この扉も人工物だ。
「おっ、扉だぜ」
「おい、なんでこんな所に扉があるんだよ?」
「「………」」
この男女四人組が扉の前まで来ると、なんと扉が勝手に自動的に、もの凄い音を立てながらゆっくり開いていく。
「えっ!?」
「扉が勝手に……っ!?」
「「……嘘っ!?」」
ズゴゴゴゴォォォ………ドォーン!!
なんと、その扉の向こう側には、まるで中世ヨーロッパ風のエントランス的な空間があって、正面奥の左右には昇り階段があり、天井にはシャンデリアが吊るされていて、左右の壁には何かのドアや白い柱の彫刻などがあったり、高価そうな絵画などが飾られたり、床には細長く赤い絨毯が敷かれている。
とにかく豪華絢爛である。
「スゲエ! 別世界だぜ!」
「何なんだ……ここは……?」
「えっ、あそこ人がいる……?」
「あら、あの人達は一体……?」
その大きな扉の内側の左右には、それぞれメイドのエクリシアとケイルデムの二人が立っていて、
「「ようこそ、我らが主イザベリュータ様のお屋敷へ」」
と、エクリシアとケイルデムの二人が、メイドらしく頭を下げて、この男女四人組を出迎えるようにして、二人同時に声をかけた。
「小屋」も「地下階段」も「地下通路」も「大きな鉄の扉」も全部人工物。
ここから先は大魔王イザベリュータ様の登場もあるかも?
まぁどちらにしても次回もお楽しみに。




