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糸井久信(イトリン)  ~絶望老人が異世界転生をしたら、外伝~  作者: 賭博士郎C賢厳
*大魔王イザベリュータの章
31/64

*魔族が棲む無人島の小屋 OE



 彼女の名前は『ケイルデム』である。



 彼女もまた大魔王イザベリュータ付きのメイドであり、Aクラスの爵位を持つ上位魔族であり、こう見えて結構強い。 そう、彼女もまた魔族である。 当然、彼女も自由に空を飛べるけど、最近ではバイクにハマっていて、ついこの間も、大型二輪の運転免許を取得している。 さらに美人だ。


「あ~ららぁ~、また人間がこの島にやって来ましたかぁ~」

「エクリシアか」


 ケイルデムの隣にエクリシアがいつの間にか立っていた。


「大魔王様は……?」

「はい、岩塔(とう)の頂上にお戻りです」

「そうか」

()()はどうなさるおつもりですか? ケイルデム」

「………」


「しばらく様子を見ましょうか」

「「………」」


 エクリシアとケイルデムの後ろから声がして、二人が後ろを振り向くと、またメイド服を着た女性が立っていた。


「「バーチェス」」


 彼女の名前は『バーチェス』である。


 その容姿は腰まで伸びた銀色のロングヘアーにピンク色の瞳に紫色の口紅、褐色の肌に服の上からでもわかる程の大きな胸、紫色のロングスカートのメイド服に白いエプロンを着ている。 彼女もまた大魔王イザベリュータ付きのメイドであり、Aクラスの爵位を持つ上位魔族であり、やっぱり結構強い。 それに空を自由に飛べて魔法も得意である。 あと耳はとがっていないメガネをかけた美人。


「もしかして、彼らは願いを叶えに来た者たちではないのか? バーチェス」

「いやいや、()()は単なる肝試しですよ。 バーチェス」


「いずれにしても、()()()()()()()()来たら、いつも通りに対応すればいいわ」


「は~い、了解で~す」「ええ、わかったわ」


 そう言って話が終わると三人が、その高台の上から姿を()した。







 時間は夜。


 男女四人組が懐中電灯を持って森の奥の方まで歩いていく。


「う~ん、やっぱり何か出そうな雰囲気よねぇ~?」

「ええ、そうね。 オバケとか出そうな雰囲気よねぇ~?」

「幽霊もいいけど、魔族の方がいいよな」

「俺はどっちでもいいけど」


 彼らはなおも森の中へ歩いていき、もう半分道に迷い始めていた。 周りが全て木だけであり、マトモな道など無いので、今何処(どこ)にいるのか、ぜんぜん解らない。




 そのまま男女四人組が歩き続ける。 そもそも彼らは一体何処(どこ)へ行こうとしているのか、何処(どこ)まで向かうとしているのか、肝心の彼らでさえ、あまりよく解っていない。 つまりアテもなく、ただまっすぐ歩いているだけ。 こんな樹海並みの森をこんな夜の時間まで、一体何を考えているのか……彼らは。



 ―――どうするつもりだ?


「ヤベェよ、道に迷ったよ」

「少し中に入りすぎたか?」

「えっ、ウソでしょ? しっかりしてよ」

「うぇ~~ん、助けてぇ~~」


 などと言いながら、なおもまっすぐ歩いていくうちに、彼らの目の前に窓の無い小屋が見えてきた。


「おい皆、こんな所に小屋があるぞ?」

「ちょっと待て、ここ無人島だよな? なんで小屋があるんだ?」

「ちょっとウソでしょ? この島に誰かいるの?」

「もしくは昔、誰かがこの島にいたか、だよね?」


「そんなことより、とりあえずこの小屋で一休みしようぜ?」

「ああ、そうだな。 なんであるのか知らないけど、せっかくあるんだから、使わせてもらおうぜ?」

「賛成。 あたしもう疲れちゃったわ」

「あ、あたしも賛成」


「よーし、決まりだな」


 そう言うと男女四人組が、その窓の無い小屋の扉に近づき、静かに慎重に扉を()けた。



今回登場した『ケイルデム』とは天使の階級では、智天使のことを指し、また『バーチェス』とは天使の階級では、力天使のことを指している。

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