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糸井久信(イトリン)  ~絶望老人が異世界転生をしたら、外伝~  作者: 賭博士郎C賢厳
*イトリンの章
21/64

*お姫様にチャーハンを 21

  ●【No.021】●



 前回からは少し間、間があくけど、再び投稿・連載します。



 王様に呼び出されたヴァグドーさんたちが、この王宮の『玉座の間』の中にいるとされる強力モンスターを倒す為に、既にこの部屋を出ていった。

 まぁ、ヴァグドーさんたち程の者なら、それほど時間がかからないだろう。


 当の俺は戦闘が出来ない為に、お姫様たちがいるこの部屋で待機中。

 ちなみにこの広くない部屋に、お姫様が二人いる。


 一人目はニーグルン姫様、彼女もスゴく美人だけど、残念ながら俺はあんまりときめかない。 そのニーグルン姫様の方もヴァグドーさんが好きらしい。

 もう一人はマリアスラン姫様、俺がラーメン以外でときめいてしまった絶世の美女であり、俺が一目惚れしてしまった。


 この広くない部屋に、お姫様が二人。




  ━・・●・・━




 それにしても、この部屋って食事とかは、一体どうしてるんだろう?

 こんな部屋じゃ、ロクに料理も出来ないだろう?

 俺は部屋の片隅にある椅子に座り、ボクシング選手のインターバルのようにうなだれていた。 (※別に白くはないけどね)




 この部屋では食料を調達するのも大変そうだ。 ここの兵士たちが食事を持って来るけど、どこか味気ない。 これが王族が食べる料理なのか? でも、それは仕方ないことだ。


 この王宮の調理場も、モンスターどもに()られてしまい、今まで調理していた料理人も逃げてしまい (最もお姫様が逃げるように指示した為)、マトモな料理が作れていない。


 それを見かねた兵士や暗殺者の女性たちが、王様やお姫様の不憫を苦慮してる。


 だけど王様もお姫様も文句は言わない。 現在(いま)の状況をよく理解してるからだ。 あの強力モンスターどもがいなくなれば、また元の生活に戻れるだろう。 だから、それまでしばらく我慢するしかないのだ。


 気の毒だけど、こればっかりはヴァグドーさんたちに、任せるしかない。 俺には戦闘など出来ないのだから。




  ━・・●・・━




 椅子に座り、うなだれる俺の前に、ニーグルン姫様がやって来て、俺に話しかけてきた。


「あのぉ、イトリンさん。」

「はい、何でしょうか、姫様」

「また、あのチャーハンが食べたいのですけど。」

「ああ、いいですよ」

「では、宜しくお願いします。 イトリンさん」


「!!?」

 その話を聞いた暗殺者の女性が、マリアスラン姫様に小声で耳打ちしてから、今度は俺の前に、ニーグルン姫様の隣にやって来た。


「あの、料理って、()()でも作れるんですか? イトリンさん」

「えっ、ええ。 調理器具や食材や食器は、俺が持ってますんで、料理するスペースさえあれば、一応何処(どこ)でも……。」

「す、凄い!!」

「……はぁ?」

「それでは、ぜひとも王様やお姫様にも作って頂けますか? イトリンさん」

「はい、別に構いませんよ」

「どうもありがとうございます。」


 そう言うと俺は立ち上がり、部屋の片隅のスペースを利用して、調理器具・食材・食器など、チャーハン作りに必要なモノを『アイテム収納ボックス』から取り出して、早速(さっそく)調理する。

 既に何度も作っているので、さすがに手際よく、数人分だろうと、約5分くらいで、すぐにチャーハンが完成した。


 俺はテーブルの上に、ここにいる人数分のチャーハンを置いて、テーブルには王様やお姫様や暗殺者の女性たちの他に、ニーグルン姫様やルドルス将軍たちも椅子に座る。


「どうぞ、召し上がれ」

「「「いただきます」」」


 早速(さっそく)、お腹をすかせてチャーハンを食べるニーグルン姫様やルドルス将軍たちからは、相変わらず「美味しい」と絶賛される。



 そんななか、お姫様が俺に問いかけた。


「あの、これは……?」

「はい、チャーハンです」

「……チャーハン……?」


「姫様、このレンゲというモノで、チャーハンを(すく)い上げて―――」


 隣に座る暗殺者の女性が、お姫様に食べ方を教える。

 そして、お姫様が暗殺者の女性の言われた通りに、チャーハンを食べてみる。



 するとここで―――


「お、美味しい……!」

「こ、これは……うまい!」


 俺が作ったチャーハンを食べた王様やお姫様からも、この未知の食べ物に「美味しい」と驚愕・絶賛してくれる。



 まぁ、まずチャーハンをマズイと言うヤツも、あまりいないだろう。



  ●【No.021】●



 次回にこの話は続けます。

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