*新名受諾 02
●【No.002】●
新名『イトリン』、本人は至って本気で、とても気に入っている?
この異世界での俺の名前が決定した。
「それじゃあ……俺の名前を『イトリン』にしてくれ。」
「おおっ、『イトリン』か! なかなかいい名前ではないか!」
……えっ、いいの? 二人共……名前のセンスが少しおかしくない?
「そうでしょう、そうでしょう! いい名前でしょう! この名前で決まりですね!」
「ふむ、ではお前さんの名前は、今日から『イトリン』じゃな。 承ったぞい!」
「それではヨロシク」
俺は「ふああぁ」と大きく口を開けて、思わずあくびをした。
「ならば、今夜はもう遅いから寝よ。」
「はい、判りました。」
また俺はこのまま、その場で横になって眠ってしまった。
隣でヴァグドーさんが焚き火を見ながら、ずぅーっと座っている。
ここは「アレンカトロス大陸」の中にある「ナギアノ王国」の西南地区にある森の中である。
翌朝、
俺は朝日を浴びて、思わず眩しくて目を覚ます。
「……ん? もう朝なのか?」
俺がムクリと起き上がり、隣を見ると、もう焚き火の火が消えており、あの男の姿も既に消えていた。
「あれ? あのヴァグドーさんは…? 一体何処に行ったんだ……っ!?」
ここは森の中…だけど……俺は夢でも見ていたのか?
俺が周囲を見渡していると、俺のところに、とある美女が歩いてきた。
「あらぁ~~♪ もう起きたのねぇ~~♪ 元気ぃ~~♪」
とても美しく全身黒ずくめの女性が、俺に話しかけてきた。
「―――あ、あなたは……??」
俺はキョトンとしながら、その彼女に話しかけた。
「ハロー、私の名前は大魔女シャニルよぉ~~♪ あなたのことはヴァグドーちゃんから聞いたわよぉ~~♪ イトリンちゃん♪」
おっ、そうか!
この人はヴァグドーさんの仲間なのか? もう既に俺の新しい名前を知ってて呼ばれてるようだぞ。
「……ダイマジョシャニル……?」
「うふふ♪ シャニルが名前でぇ♪ 大魔女は職業名よぉ♪」
「そ、そうでしたか、それは失礼しました。 ところで…ここは何処ですか?」
「ここはぁ~~ アレンカトロス大陸の中にあるナギアノ王国の西南地区にある森の中よぉ~~♪」
「やっぱり、ここは異世界なんですね? シャニルさん」
「ええ、そうよぉ~~♪ ここは異世界よぉ~~♪ ここは地球の日本じゃないわよぉ~~♪」
「……っ!? もしかして、あなたも『転生者』なのですか?」
「当たり♪ 私も元日本人よ♪」
「やっぱり、そうなのですね! 日本からの『転生者』って意外と多いんですね! ところで…ヴァグドーさんは……?」
「あら、ヴァグドーちゃんだったら、あっちの方にいるわよぉ~~♪」
そこで大魔女シャニルさんが指差した方向に、森の中に木で造られた小さな小屋が一軒あって、ヴァグドーさんと仲間たちが造ったと見られる。
この小屋が俺の料理専用の小屋であり、その中で俺が料理の研究・開発をしていくみたいだぞ。
●【No.002】●
イトリン、彼の初登場は以下の通り。
作者名:南かずしげ
タイトル『アブソリュート=ゼロ ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~』
第121部分、32B【黒い影:08】
第122部分、33B【黒い影:09】
―――である。