*王宮まで行き、国王に会いに行く 17
●【No.017】●
「ふむ、それでお前さんはどうするつもりなのじゃ? イトリンよ」
ここでヴァグドーさんが、俺にも意見を求めてきた。
「はい、俺も一緒に行きます! ヴァグドーさん」
当然だけど、俺も一緒についていく。
こんな所に、一人だけ残されても、一体どうやって生きていけ、と言うんだ。
モンスターや盗賊などに襲われて、あっさりとあっという間に、終わってしまうぞ!
それに大魔王イザベリュータってのが、一体どういうヤツなのか、少しだけ興味がある。
何よりも、俺とヴァグドーさんが離ればなれになったら、ヴァグドーさんはもうラーメンが食べられなくなるぞ。
まぁ、どうせ大魔王を倒すのは、ヴァグドーさんたちだし、俺は少し離れた安全な場所で、ラーメンでも作ってればいいのさ。
そんで俺も一緒についていく旨を、ヴァグドーさんに伝えると、
「おお、そうかそうか、わかったのじゃ。 ならば、ワシらと一緒に行くのじゃ。」
とヴァグドーさんが納得した様子で返事をした。
これで話はまとまった。
ヴァグドーさんと、その仲間の皆さんで、大魔王イザベリュータを討伐(お顔を見に行く)しに行くことになった。
ヴァグドーさんが大魔王を討伐しに行く行為は、おそらく、絶望老人が異世界転生をしてから、シリーズを通して初の行為となるだろう。
もはや、ラスボスが悪魔神という設定上、中ボスくらいの大魔王を退治する行為は、いつの間にか、しなくなってしまった。
しかし、今回は人間に悪さをする大魔王イザベリュータ! ここはヴァグドーさんの正義の鉄槌が炸裂するのか?
まぁ、それはともかくとして、
俺とヴァグドーたち一行が旅支度・旅行準備を終えると、施錠済みの『秘密基地』を出ていき、別の小屋に待機していた暗殺者の女性と合流した。
その暗殺者の女性が、俺たちを見るなり、こう言ってきた。
「お待ちしておりました。 その様子だと、国王様からの仕事の依頼を受けてくれる、ということですか?」
「おう、ワシら全員で、その大魔王イザベリュータとやらの討伐に向かうつもりなのじゃ。」
「はい、判りました。 では早速、国王様に謁見をお願いします。」
「ふむ、そうかそうか、わかったのじゃ。 では王宮まで案内してもらおうかのう。」
「はい、判りました。 では早速、馬車にお乗りください。」
「おう、わかったのじゃ」
なんと小屋がある小道には、いつの間にか、大型で白銀製に白馬が三頭と御者台には御者が座っている、王族専用の馬車が二台も停まっていた。
この馬車の中も、結構広くなっていて、一台につき、10人は乗れそうな感じである。
俺やヴァグドーさんや勇者アドーレさんやカグツチさんたちが、続々と二台の馬車に乗っていき、最後の暗殺者の女性が馬車に乗ったところで、その二台の馬車は、ナギアノ王国の中央部にある王都・王宮に向かって出発した。
こうして、俺やヴァグドーさんたちは、まずナギアノ王国の国王様に会うことになった。
●【No.017】●
当然だけど、イトリンも一緒についていくようだ。
まぁ、仕方あるまい。
ここから先、イトリンは一体どうなってしまうのか?




