*とある暗殺者の目的とは? 13
●【No.013】●
あるお客さんが妙なことを言ってきた。
「私は冒険者ではなく暗殺者です。」
「―――えっ!?」
このお客さん奇妙なことを言ったお陰で、俺は思わず絶句・唖然としていた。
はぁ、一体何言ってんだこの人はぁ!?
「いいえ、何でもありません。 それにしても美味しいですねコレ。」
「どうもありがとうございます。」
でも自分のことをわざわざ暗殺者と言ってるあたり、俺は凄く混乱しているけど、別に俺を殺しに来たわけではないようだ。
わざわざ対象者の目の前で、チャーハンとギョウザを頼んで食べてるあたり、また自分のことを暗殺者と名乗るあたり、まったくあり得ないことだ。
それに俺を油断させる為と言っても、そもそも自分の姿も正体もあかさなければ、油断もへったくれもなく、隠れて静かに俺を殺害したはずだからだ。
そもそもプロの暗殺者なら、わざわざ自分の顔を晒して、暗殺対象者と話し合うなんて、マヌケな真似はしない………はずだ。
だから俺を殺しに来たわけがない!
……はずだ……
などと考えているうちに、彼女が俺の作ったチャーハンとギョウザをすっかり食べ終えていた。
「ごちそうさまでした。 とても美味しかったですよコレ。」
「そうか、それは良かった」
「それで、お会計をお願いします。」
「いや、今は値段がないんだ。 まだ金額設定をしてないんだよ。 だから今回だけは無料だね。」
「あら、無料なのですか? ですが、あなたの後ろの方は鋭い目つきをしてますね。」
「……?」
彼女の言葉に、俺は少しだけ顔を後ろに向けてみると、そこに俺の背後に居たのが、なんとヴァグドーさんであった。
「そこに居たのかい? それでヴァグドーさん、何か用ですか?」
「ふむ、かなりの殺気があったのでな、ここに来てみれば、その彼女であったか?」
「……殺気?」
「ふむ、お前さんには解らんか? まぁ…あまりにも静かで小さな殺気なので、普通の者では理解できんか?」
「そ、そうなんですか?」
俺が前にいて、背後にいるヴァグドーさんの方を少しだけ見ている状態で話し合っている。
「ふふふ、さすがですね。 あなたがヴァグドーですね? 絶対に暗殺できない男………ですか?」
「ほっほっほっ、このワシを殺しに来たかの?」
「まさか……でしょ? あなたを殺すには、相当なレベルと実力がないと、逆に返り討ちにあいましょうね。 あなたを殺すには、まず私一人だけでは無理ですね。 大軍の軍隊を引き連れても、果たしてあなたに勝利できるか、どうか……ですかね?」
「ならば、森に行ってモンスターを倒して、経験値とお金を稼ぎに来たか? それともただ単にチャーハンとギョウザを食べに来たか?」
「……」
今度は俺の背後にいるヴァグドーさんと俺を挟んで、カウンターの向こうで座るお客さんが話し合っている。
「実はヴァグドー、あなたに仕事の依頼をしに来ました。」
「―――えっ!!?」
「ほーう、このワシに仕事の依頼を……?」
な、なんと暗殺者の女が最強無双のヴァグドーさんに仕事の依頼をしてきた……だとぉ!?
●【No.013】●
もう既にネタ切れだと思いますけど、また不定期更新でやっていきますので、どうぞ宜しくお願いします。
また頑張っていきますよ。




