1 プロローグ
間違いとかあったら改定しますので
この世界。生命が生命を奪い合う。野戦。建物の影へと。あらゆる場所で生命が失われていく。激戦から暗殺って訳だ。
これだと市民までも戦線に立っている考えなければ生き残る事はできない。物資というのも必須だが兵士。武器を扱う存在価値も重宝すべきだ。
だが戦場の流れに恒温というのは無い。いずれ生命という価値は事を成し遂げるだけの消耗品程度にしか過ぎなくなる。
フッ。それぞ普通だ。普通と思わない奴は死ぬ。
少年。高台から荒れ狂う潮の流れに嗅ぐ。
「ああマリス様」
この少女の名は…どうでもいい。とにかく消えりゃいいだの弱者。
「失せろブス」
少女は身を小さく屈めながら後ずさりしてしまった。
ここはカリーヌ軍防衛陣地。名の通りクラウス軍の矢先を食い止める壁である。
「さて行くか」
息を吹きかけ、高台から素早く降り立った。一方マリスの近く設けていたカリーヌ軍司令室。
「殿下!クラウス軍精鋭ズルクス率いる集団が突破しました」
怪我に顔を覆う部下が苦しくも息を荒く吐きながら伝令を伝えに来た。
「オーハンめ!あれほどかき回しやがって…!」
先程1人でやれる。というような事を胸を張っていた癖に。
オーハンという周りから不人気な目で睨まれる将軍の失態。スカン司令の血管の滲んだ拳を机の上を叩きつけた。
「精鋭に主力軍を集中配置させろ…!それ以外の戦力の側面の守衛に当たれ…!」
「しかし僅かな兵力ですよ!手薄になります!」
「分かっている。悔しいが…やむを得ない…!」
こうなったのも全てオーハンの失態が大部分に占めている。誰でもよく分かっている事だった。上司である筈のスカンの口にも聞かず。あの男は必ず幸いを崩す。
武器はある一方、人手不足であふ苦況。人間は重要だとをこの時に地知るスカンだった。相手の歩兵の質はこちらの質よりも上回るいる。波状攻撃で攻めて、損失が逆に増える一方だ。
これこそ多勢に無勢。1軒に1人か2人の男を引き出した。皆簡単な訓練を短い間に受けた。結果、訓練不足が原因というのも気付かないまま、挙げ句の果てに女や子供まで武器を持たされる羽目に追い詰められている。
我の指揮ながらも…くどい事だ。
手を顔に覆い隠すスカンだった。すぐさま顔から外し
「傭兵はどこだ。マリスを呼んだ筈だ」
「それが…もう出陣しまったようです…」
しまった…もっと早く伝えるべきだった。自分が伝えた彼の作戦は…敵を殺める事ではないのに…まずいな。
あの男を自分が誘って訪れて以降、敵の進軍が遅延してしまったのだ。彼のおかげで、どうか国の存亡を回避する事ができたんだ。だがその効果は一時的にも過ぎなかった。
「ああ…私が未だ冷静だったら」
力があっても決断力というのがなければ左右変える事は難しい。もう国に居られないと苦い表情を浮かばせたスカンだった。
前衛から前へと離れた森。徒歩で茂みを越えて進む1人の少年だった。マリス。正式で言ったらマノハ・マリス。金髪で顔丸くてショタのようで可愛らしい顔付きしている。
彼はこの世界にはいなかった男だ。元世界では愛らしい外見とは全く筋合っていない能を持っていた。
軍人であり…VRMMOのシューティングゲームで遊んでいた者だった。VRMMOをやり始めた理由というのよ何気なく、この人気ゲームがどれほど楽しみを味わえさせてくれるのか実感したかった。ただそれだけ、壮大な目的というのよ画策せず、ひたすら敵プレイヤーを撃ち続けていた。上級者になろうとも、特にランキング上昇など狙っていなかった。自分が無敵だなんて思っていなかった。実際の兵士というのは高慢を抱えてはいないからな。
しかし気が付いた時、自分はランキング1位まで上がっていた。
我ながらも驚愕したよ。嘗て1位だったプレイヤー集団のリーダーを僕は難なくも勝利した。彼女の名はレイル
相手は自分よりも気の強い、背の高い女だった。まるで騎士でもやっていたかのようは闘争心のある目だった。だが裏腹に彼女は心広かった。自分の越えた強者に行為を抱く癖があった。
以降から僕を興味を深く漬け込んでしまう、出会う回数の多い配偶者となった。なってしまったんだな。
今立っている世界はヴァーチャルではなかった。入る前に本物の異世界だったと知っていた。知らされたんだ。
ある日、僕と彼女は仲良く出会うようになってデートで時間を費やしていた時だった。この時、一億人の人間達がVRMMOをやる時間帯であった。
新しい製品が出たんだって。ヘルメットみたいな物で旧製品とは変わらないが内容は新しいようだと耳にしていた。
ところが…ヴァーチャル世界に意識を繋ぐ道具ではないという事を臨時ニュースで知らされた。
被った人間達が跡形もなく消える件が発生していたという。どうやらその新しい製品は狂った開発者が造った転送装置だった訳だ。慣れた社会からかけ離れ、未知の世界で孤独になって嘆きかたい。それが開発者の理由だった。絶対戻れない訳ではない。ゴールは必ずあると。
デートだった事に幸いだったが。
まさか人類の隅所でそんな未来先からやってきたかのような装置が人知れずに造れていたなんて、僕らという表側の人間に予想できなかった。レイルは即買った製品を捨てようとしていた。人がどこかで消えるのだから刺激が強すぎたのだろう。だがマリスはヘルメットを手掴んでずっと眺めていた…恐ろしいのは一番よく分かっている事だった。その恐ろしいが輝き、目覚ましい期待感へと変換していく瞬間。
“面白いじゃないか。危機を得られるなんて。僕にとって人生最高の贈り物じゃないか”
最強になって…僕は退屈してたんだ。ハード。いや超ハードを超えたゲームなんだ。単なるFPSなんかよりも極度に遠い。
捨てようとしていた筈のレイルもマリスと同じくヘルメットを眺めていた。
“彼氏できない人生なんてもう飽き飽きなのよ。別の世界に行って自由になった方がいい”
合意だな。2人同時にヘルメットを被り始めた。このゲームの難易度を2人はこう呼称した。インファマス。
やられたら?元の世界に戻れない。あの世行きだ。しかし…着いた時にはレイルはいなかった。
静けさの寂しい森が騒々しくなる。鎧。旗。あらゆる箇所に蠍のマークが描かれていた。あれがズルクス率いる“毒の尾団”。
人数20人。馬を跨ぐ。剣を携わっている。
あの緑髪の男がズルクスである。体格は集団の中で大きい。鎧の派手に炎の柄が塗られている。
マリスの掴んでいた武器は小銃1丁。半自動ライフル。自作たる、愛称は…“盛りタコス”
弾は20発。言い換えて弾倉2つ。1発も外してしまえば死ぬのは確実だ。だがこうしないと面白くない。
「今日とで奴らに白旗を掲げさせろぉ!」
ズルクスの罵声に一斉が潔い返事を発した。
「ハッ!」
その時だった。バンバンバンと音が鳴り響いた。集団の先頭に立つ3人が馬から崩れ落ちたのだった。
聞き慣れた音。何だと察しはしなかった。
「敵襲。どこからだ…!」
「正面。右です!」
ズルクスは前方に意識を向けた。右の樹木の下に背中合わせる人影。待ちわびていた風だ。いたと頭に横切った。またして3発放ち、
「ウブァ!」
「ギャア!」
「ガァッ!」
連続に悲鳴を漏らす。3人の命が絶える。この損失にズルクスの黙っていられなかった。
「縦列で斬りつけろ!」
4人の騎兵が一列の纏う。マリスに狙い迫る。2発。先頭の2人が落ちる。
3人目がやっと標的に接近。マリスの横から剣を振るった。マリスを上半身を後方へ仰け反った。その隙を1発。
「背を向けたな!愚か…!」
銃口が向いた。ピカッと光が目に照らされた。顔のど真ん中に穴を開けた。薬莢が落ちる。
10人もかかった。たった1人の少年の前で多勢が無力。空となった弾倉が舞い落ちる。マリスはポケットから弾倉1つ取り出す。銃の下から込める。ガチャンとコッキンクレバーを引いた。
ズルクス含む残り10人。口を動かずのままのマリス。ゆっくりと近付く。
ズルクスは石の如く固まる。指示という言葉が出なかった。
これまで幾度も戦場に立って壁を砕いてきた。もう打ち砕ける壁は無いと確信していた自分。及び自分達。
そのイメージが少年によって崩される。今日。この場で。
どうすれば。と考えている内。周りの有していた息が。一方的に消え去る。気付いた時。ズルクスだけの隊となっていた。
マリスの瞳に睨まれる番。ズルクスの剣が落ちる。ズルクスの身に震えが生じる。
「お前…本当に笑わせやがる…!」
これが英雄?そっちが笑わせる。指指しておいて…何という様なのか。さあ殺せと言う方が敢えて清めている見解だ。
「お前みたいな素人見てぇな若造が…!上格者に舐めるように屈服させるだと!?そんな訳の分からん棒を持って…!」
「…」
「てめぇの本心が理解できない!一体趣旨はなん…」
「…」
「おい。そんなもん向けるのか。そんな顔して一体何するつもりだ!?待て…俺が悪かったから止めて下さい!!」
「僕は…」
「あああぁぁぁぁっ!!!止めてえぇぇぇ!!!」
最後の1発を放つ。弾倉の中が0となった。確かに英雄的な存在だと耳にしていた。悪事を働く毛頭などの無い人間。
一番悪いと伝わったのは…野心とは桁外れた折れた心だった。僕は。
「“最強”が何なのか理解できなくなった者だ」
ズルクスは仲間を追って天へと旅立った。この兵は作戦上、巨大なハンマーの役となっていた。残る軍隊は残存となって、士気が崩れる。頼れる味方がいなくなれば友達が消えるような物だ。きつい筈だ。亡骸を背をにしたマリス。スタスタと歩み出した。何事も成果を得られない。ゲームでは華やかだった。軍隊という実戦を通した自分では分かっていた事だ。
現実とヴァーチャルという違いは…悲劇的だよ。
「…レイラ」
マリスは遥かかなた遠くを見つめるように空を見上げた。あの人はどこ行ってしまっだろう…
陣に戻るマリス。その彼の気付かない距離で背後から睨み付ける男。
「マリスめ…!覚えてやがれ…」
ギリギリと歯を噛み締めるオーハンだった。
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