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戦慄のオーバーレイ  作者: 茎昆布
2/5

二話 烏白馬角〈うはくばかく〉

 ━━━「君の名前はなーに?」 

「僕の名前は---





























 朝八時、自称サポーター〈神原(かみはら)〉に起された。本当にサポートするんだな。こいつ。皮肉なことに、早起きをサポートされた。何が目的だよ。 


 ...あの声...なんだったんだろうな。


 僕には絶対暗記、完璧な暗記能力がある。そのため、見る夢は過去の記憶がほとんどだ。過去の記憶を思い出すためにはきっかけが必要。夢は思い出すきっかけになってくれる。そのため、それまで忘れていたことを思い出すことができる。


 だけど今日の夢は違う。何も思い出せない。なにしろ僕が小さくなかった。身長が今とほとんど同じだった。つまりこれは...



   ∞∞∞



 「予知夢...ですね...」


 白塗りの軽自動車を運転している神原が言った。そう、今日見た夢は未来を予知しているのだ。


 予知夢が見えるようになったのは中学に入ってからだったと思う。でも僕はあることに気づいてしまった。未来を見ることができても、未来を変えることができないのだ。


 例えば、僕が転ぶ夢を見たとする。だけど、どう頑張っても転ぶ未来しかない。できることは、新品のジーパンを履かないとか、絆創膏を用意しておくとか、そんなことだけだ。だから死ぬ未来を見たら僕の人生はもう終わりだ。


   ※※※


 予知夢か...勉くんの能力は絶対暗記だけだと思っていたが...これは面白くなりそうだ。


 「勉くん、君はどんな夢を見たんだい?」

 「誰かに名前を聞かれる夢、高くて、明るくて、モンキチョウみたいな声。」


モンキチョウみたいな声か...よく分からない表現だな。まぁそれはさておき、これは勉くんの行動を監視する必要がありそうだ。



   ∞∞∞



 「着いたよ。今日は十時から英語のテストがある。勉くん、頑張ってくれ。」

 「言われなくても。」

 「僕は書類をまとめないといけないから、ここでお別れだ。早く、ここになれるようにね。」

 「はいはい。」



 早くなれないとね。



   ※※※



 十時から英語のテストってい言ってたな...それまで何すればいいんだ。あーーもーめんどい。ていうか、ここになれろって?知らない人がたくさんいるこの場所で、何すればいいんだ...



  ∞∞∞



 「おい。そこのお前。起きろ!」


 なんだこのいかつい声は、僕...寝てたのか。


 「おぃ。無視すんじゃねぇ!」

 「あーはい。僕になんの用ですかー?」

 「時計。十時。テスト。サボってんなら、この俺様がお前をしばいたるぞ!」

 「テストなのはわかりましたけど、あなた誰ですか?」

 「俺はこの施設の用心棒、八神 徹(やがみ とおる)だっ!」


 この時代に用心棒...昭和のドラマじゃないんだから。それよりテストか、忘れてたな...まあいいか。

 「あのーテストってどこでやるんですか?」

 「あー行ってこー行ってそー行くんだよ。テスト頑張れよ。」


 はぁ?なんだその説明。ヤンキーあるあるじゃねぇか。あるある要素詰めすぎだろ。てかマジでどう行くんだよ。めんどくせーーーー。


 「やあ勉くん。迷子みたいだね。連れてってあげるよ。」 


 まためんどくさいのがきた。これもあるあるだよな。くそかよ。


 「神原さん。仕事じゃないんですか?それともなんですか?サボりですか?」

 「遠くから八神くんの声が聞こえたからね。ちょっと気になって。」


   ※※※


 まだ、勉くんが見た未来は訪れてないみたいだな、、、本当に予知できるるのか...


 「勉くん。テストの場所はすぐそこだよ。白色の扉あそこを開けたところにある。」

 「ありがとうございます。ちゃんとサポートするんですね。」

 「サポーターだからね。」

 ちゃんとサポートしてやるよ。

 「テスト頑張ってくれ。」

 「それ、もう聞きました。同じ下り何回も繰り返さなくても大丈夫です。」

 「そうか。それは申し訳ない。」


 そういった時にはもう彼はいなかった。


 テストはどうでもいい。気になるのは、テストの前の十分間。果たして、予知できているのか...


  ※※※


 この部屋...換気してない...くそだな。後で神原に言ってやるか。てかここにいるやつらテストする気あんのかな。おしゃべりしすぎだろ。僕はこの席で、テストが始まるまで待つとしよう...













 僕の憂鬱な時を一人の少女が壊した。その少女は僕の肩を二回叩きこう言った






































 ━━━「君の名前はなーに?」





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