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拉致

 ★


 高校の入学式を終えた直後、田中東志・佐藤拿・鈴木宝馬の三名は悪魔に拉致られた。


『これから神と試合があるんだが、悪魔側のチームが、三体ほどケガで出場できなくなってしまった。というわけで、人数合わせになってくれ。心配するな。最低限の動きができるよう、改造してやるから』


 拒否権などない。


 気づいた時には魔人に改造されており、命じられるまま、死に物狂いで、計十五試合、神と野球の試合をした。


 結果は惨敗。


 試合後、三名を拉致った悪魔――ミシャンドラは言った。


『三年後にまた神と試合がある。あいつらのケガは三年では治りそうにないから、お前らにはまた出てもらうことになる。ただ、ぶっちゃけ、今の、改造手術を終えただけの状態だと、使い物にならないから、この三年で、シッカリと鍛えてもらう』


『つか、もう帰せや。ええ加減にせぇ』


『いいだろう。ただし、条件が二つある。お前らは、改造手術の副作用で、普通のトレーニングでは能力が向上しないようになっている。お前らが能力を上げるには、悪魔的手段を使うしかない』


『人食ぇとかいうなよ、あほんだら』


『なめるな。食事だけでパワーアップするのはヒゲの配管工だけだ』


『全然ナメてへん。で、なにせぇゆうねん』


『渇望と絶望を吸収することでしか、お前らの能力は向上しない。ゆえに、方法はひとつ。幸運にも、お前らは高校生。絶好の機会がある。甲子園大会で全勝しておけ。勝利に貪欲な球児達をたたきつぶし、栄光の渇望と敗北の絶望を奪い取れ』


『なんや、甲子園大会で勝てばええだけか。楽勝やないか。デビルの魔球を打てる人間はおらん』


『そこで、第二の条件が、お前らに重くのしかかる。投神からの伝言だ』


『あの三人が現世で野球してもいいかって? OK、OK。あ、でも、現世の球界秩序を乱すとかは勘弁の方向で、しくよろでーす』


『……とのことだ』


『相変わらず、言動がチャラいな、投神。……それはそうと、秩序乱したらあかんって、つまり、170キロ以上の球を投げるとかはあかんってことか』


『それだけではない。ダークスイングやファントムスティールなんかも当然禁止だ。現世の人間が不自然に思わないよう行動すること。これを厳守してもらう』




『ぴよぴよ(ダークスイングも禁止なの?いやいや、そうなると不可能じゃない? ふざけているわ。私たちがいる高校、赤松学園なのよ?)』



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