09 様々な魔道具の開発
やっとゲートの制作に取り掛かれるかな。
いやその前に工場を稼働させるための各種魔道具の開発が先か。
まだまだ先が長そうだな。
・血抜きの魔道具
・解体ナイフの量産
・移動用リフトの開発、量産
・鞣しの魔道具の開発
・乾燥の魔道具の開発
・廃棄素材のシュレッダーの魔道具
・湯沸しの魔道具開発
・音声拡声(PA)魔道具の開発
・照明の魔道具の開発
・浄化の魔道具の開発
・冷蔵設備の魔道具の開発
・空間拡張の魔道具の開発
あと
・スライム捕獲のための魔道具
・対ウルフ、ボア、オークのための殺傷武器
こんなところかな。
僕ががんばれば、みんなが幸せになる。そう考えて頑張ってみるか。
異界人の人たちも今まで食うや食わずだったらしいから、快適な寮生活を送ってもらいたいしね。
じゃあさっそく始めるか。
まずは血抜きの魔道具からだね。
血抜きのための魔道具なんだから、魔物の身体から血を外に全部出すってことでいいよね。
形状は血を排出しやすいようにパイプ状でいいか。
これの片側をとがらせて魔物に刺さるようにしておこう。
魔法は水魔法だね。血液のみを集めて排出するイメージでいいかな。
うん、これで何とか血抜きはうまくいきそうだな。
次は解体ナイフの量産だね。
鉄素材はスクラップ屋から仕入れてこようか。
それを組成変形と形成で、ナイフの形を作り、それを研磨して強固の魔法をかけて完成かな。
あ、グリップ部分は滑るから革を巻き付けておいた方がいいよね。
それと血ですぐに切れなくなるだろうから、状態保存の魔法もかけておこう。
あと、解体作業を終えた後、きれいにするための浄化の魔法も使えるように取り付けておこうか。
う~ん、こうやって見ると結構多機能なナイフだよね。
でも、快適な作業を維持するためには必要なことだもん、頑張って作ろう。
まず、大きなスクラップの塊を台に載せて、その台の上で組成変形を終わらしちゃおう。
1㎏ずつぐらいでいいかな。鉄の成分だけを抽出してそれを使いやすいように平板の形に成型しておこう。
鉄を扱うからもちろん金魔法だね。金属製の魔核を浄化して不純物を取って…と。
これに組成変形の魔法を込める。鉄素材だけを抽出し、それ以外はそのまま置いておく。
抽出した鉄素材は1㎏で分割して形成し、横のスペースに積み上げていく。
…残った素材をどうしようかな。プラスチックやビニール、銅やアルミ、金やガラスなんかも含まれてるようだね。これももったいないから、それぞれ素材ごとに分割して分けて収納するようにしておこうか。
…とすると、それを補完するための収納する魔道具も必要になるな。
これってどれぐらいの素材があるんだろ?このスクラップって車のスクラップ?いろいろ入ってそうだな。
金属類はそれぞれ別に分けてインゴットにして収納しよう。
それ以外には石油製品が多いのかな。プラスチックにビニール類か。
これは組成変形で油にまで戻して油種ごとに分類しておこう。
それぞれを収納箱に収納するようにして、いつでも素材を取り出せるようにしておけばいいよね。
…おっと。ここまでのことを一つの金属製の魔核だけで行える魔法を詰め込むのにはちょっと無理そうだな。
じゃあ、あと土属性の魔法と整理整頓には無属性の魔法で分類収納を行うようにしようか。
…とすると、これらの魔法を一つに溜めこんだ魔核を作らなきゃいけないな。
あぁ…。僕って自分で仕事増やしていってるよね。
仕方ない。やればできるってことに、気づいちゃったんだからやるしかないよね。
収納箱は少し大きめのものを作っておかなきゃいけないね。
100m角ぐらいのものをちょっと多めに作っておいて、一杯になったら入れ替えてもらうようにしよう。収納箱自体が大きければ意味がないから何か適当なものはないかな。
ふたがついてる箱とか、引き出しがついてるものがいいかな。
持ち運び用に取っ手のついてるもの…。あ、そういえば工具箱がそんな形だよね。
ちょっと近くのホームセンターまで行って探してくる。
急いでバイクに飛び乗り、僕は近くのホームセンターに向かった。
うう。ここには面白そうなものがいっぱいある。どれもこれもが面白い。これにあんな機能をつけたら便利だろうな…とか、考えてるだけでも楽しいよね。
でも、今日はダメだ。工具箱を探さなくちゃ。
取っ手がついているもので、できれば重ねておけるようなものがいいな。
お、あったあった。こういうのを探してたんだよね。
早速ひとつ購入。これでうまくいけば、大量発注すればいいからね。
これって中にトレーのようなものもついてるね。ここを利用して魔核をセットしておくことにしよう。
取り急ぎひとつ購入すると、僕は工場に引き返した。
日本のお金?こういう時にいるだろうって、経理担当の人から預かっているお金があるんだ。100万円ほど預かってたけど、これってどれだけのものが買えるのか、僕にはよくわかんない。1万円を出して、お釣りをもらった。『りょうしゅうしょ』もちゃんともらったから大丈夫。これがないとちゃんと経費計上ができないって経理の人にしつこく言われてるんだ。大丈夫。ちゃんともらったよ?
さて、道具箱を収納箱に改造した。
これでいいだろう。うんうん。取り出しもスムーズにできるし分類わけもちゃんとできてる。
これを分類種別ごとに用意して…。
起動。
うんうん。うまく作動していってるね。
スクラップが見る間に崩れて行って、インゴットになって収納箱に収まって行っている。
プラスチック類も油まで組成を戻されて、液体のまま収納箱に収納されていっている。
これでよし。
この一連の装置は『リサイクルボード』と名付けられて、さっそく稼働を始めた。