08 異界での解体工場建設
何で転移ゲート作るのに、異界に工場まで作らなきゃいけないんだろう…。
…何も下準備がされてない状態で魔道具開発が始まっちゃったから仕方ないね。
解体工場は匂いも出るし、廃棄物も多くなる
街中での建設はあきらめて、郊外に解体工場を作ることにしよう。
場所はいっそ隔離できるようなところがいいのかな。
ドローンでの空撮結果を見て、ゴッグルアースの日本での付近地形も確認して、日本でいうところの山科の土地に工場を建設することにした。
ここなら王都からは稲荷山を挟んで隔離できるだろう。
まず、整地。
草や木が生い茂ってるからね。
それらを除去して…。
あ、木は建築に使うからどこかでまとめて保管しておいてね。
次に建物だね。工場の大きさはどれぐらいいるんだろう。
あまりに大きいと使い勝手が悪そうだから、足りなければまた追加で作るということで、縦に並べて5棟ほど作っておこうか。
大きさとその用途を図面に引いていく。
それを見た眷属の皆さんは早速張り切って工場を建設していく。
さて、魔物の解体の工程としてはまず血抜きがあり、その後魔核の摘出、毛皮の剥ぎ取り、肉の加工、切り分けとなる。
毛皮は剥ぎ取った後、鞣しの工程も出てくる。
食肉加工の工程では冷凍保存するための倉庫も必要だよね。
調べてみると革の鞣しの工程はクロムを使うみたいだ。取扱には注意が必要な危険なものみたいだけど、僕たちには魔法があるからね。
そもそもクロムを使う必要もないんじゃないかな。
要は革から不要なたんぱく質や脂肪を取り除けばいいんだよね。
じゃあ、『分解』と『除去』だけで行けるかな。
『不用な』ってところの見極めが難しそうだな。万眼鏡の出番だな。必要な革と毛の組成を解析して、それ以外のものを分解し、除去する。
あとで魔道具を作っておこう。
肉の加工には作業台と解体用刃物がいる。
それと貯蔵には冷凍設備か。これは風魔法と水魔法と火魔法で何とかなるかな。
火魔法は温度を操る。つまり温度を下げることもできる。それを水魔法と風魔法で補助してやる。気化熱を奪う方法で。
これらの作業場所を移動させるためのものもいるな。
ベルトコンベヤのようなもの
あと、スライムの飼育小屋がいるよね。属性によっての特性も調べなきゃいけないし、研究施設もいるな。それと廃棄物処理施設だよね。
血抜きの工程は水魔法で体内の血液を循環させて排出させることができそうだ。
肉の解体は異界人に任せちゃおうか。
雇用促進にもつながるし、食肉が必要なのは彼らなんだから手伝ってもらうことにしよう。
レティ様に相談すると即OKが出た。
あやかしの眷属の部隊が護衛して、100名ほどが作業に来るようだ。
…とするとその受け入れ施設も必要になるな。
寮生活で我慢してもらおう。
炊事場、食堂、風呂、寝室、集会場のある寮を建設した。
ふ~。これでようやく魔核の確保の受け入れ態勢ができた。
ここが稼働するようになれば、ようやくゲートの制作に取り掛かれそうだ。
あとは日本に戻って、必要な魔道具を作っておかなきゃね。
ここはひとまず冴子さんに任せて僕たちは一度日本に戻って、魔道具を作ってこよう。