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こちら魔道具開発工房  作者: 鴨川 京介
16/17

16 各属性の魔法について

次に、各属性でできることを考えてみよう。


 ●木 植物における成長、進化

 ●火 温度の変化

 ●土 無機物構成素材全般

 ●金 金属類に特化したもの

 ●水 水、水分の流れ、精製

 ○風 空気の流れ、空気の創出

 ○光 闇とついになる明るさ、浄化などの総称 主に魔素そのものに干渉する

 ○闇 光


この8エレメントについてだ。


まず木の属性。

これには食物の成長促進などをうながす作用がある。

具体的には植物の種に木魔法を当て続けて、発芽を促すとか。

でもこれって、人体なんかの修繕、つまり治癒などにも使える要素だよな。

人の細胞を活性化することで修復を早める。こういう効果もあるはずだよね。

これは要実験ということで置いておこう。

とすると派生する魔法は

・発芽

・成長促進

となる。

微生物の活動を活発にすることもできるだろうから

・腐敗

・発酵

なども木魔法に入ると思う。


次に火魔法か。

火魔法の本質は火をつけることではなく温度を操る(・・・・・)こと。

これは京介様の知識を基にすると、物体の分子の振動、運動を抑制することで温度を下げ、活発にすることで温度を上げることができるとある。

とすると、この火魔法は木魔法の分子レベルでの応用とも考えられるよね。

そしてそれが分子の運動や振動を制御するという特性を持っているんだろう。

うん、これは今までになかった概念だよね。

今までは単に火をつける魔法だと考えていたからね。

逆に温度を下げることもできるってことは考えてもいなかった。

この火魔法でできることは

・振動

・運動加速

・運動減速

これが減少として現れるのが

・発火

・保温

・冷却

となる。

それに振動をより深くすると

・破壊

ができることとなる。

これらも要実験だよね。


次は土魔法か。無機物構成素材全般とあるけどいったいどういうことだろう。

これは土に代表される鉱物やその粉末である砂や泥、そして水なんかも対象になるのだろう。無機物ってことは逆に言うと有機物には作用しないことになる。生き物とかは無理ってことだね。

でも待てよ…。血液の中にも鉄分って含まれてるって知識があるな。

これって血液から鉄分のみを取り出すことができるってことなんだろうか。

鉄分と鉄って一緒なのかな?う~ん、よくわからない。これも要実験ってことで。

この魔法でできることといえば

・組成分解

・組成構築

・抽出

・結晶化

ってことになると思う。

他の魔法との複合で

・耕作(水と木、火との混合)

なんかもできてくると思う。この辺は三郎さんに任せちゃおう。


次は金魔法か。

これはいわゆる金属に特化した魔法ってことなんだと思う。

これはきょうすけぺでぃあに記述がないな。こういうことっていちいち調べたりしないのかな。

では本家本元のぺでぃあさんから引用させてもらおう。


金属(きんぞく、metal)とは、展性、塑性(延性)に富み機械工作が可能な、電気および熱の良導体であり、金属光沢という特有の光沢を持つ物質の総称である。

ん?鉱石ってのとはどう違うんだろう?


鉱石(こうせき、ore)は、人間の経済活動にとって有用な資源となる鉱物、またはそれを含有する岩石のことである。(出典:ウィキペディア)


ん?ん?つまり金属は鉱石の範疇に入るってことかな。


【鉱石の種類】

鉱業法で示されている「鉱物」は、以下の通り。

金鉱、銀鉱、銅鉱、鉛鉱、そう鉛鉱、すず鉱、アンチモニー鉱、水銀鉱、亜鉛鉱、鉄鉱、硫化鉄鉱、クローム鉄鉱、マンガン鉱、タングステン鉱、モリブデン鉱、ひ鉱、ニツケル鉱、コバルト鉱、ウラン鉱、トリウム鉱、りん鉱、黒鉛、石炭、亜炭、石油、アスフアルト、可燃性天然ガス、硫黄、石こう、重晶石、明ばん石、ほたる石、石綿、石灰石、ドロマイト、けい石、長石、ろう石、滑石、耐火粘土(ゼーゲルコーン番号三十一以上の耐火度を有するものに限る)、砂鉱(砂金、砂鉄、砂すずその他ちゆう積鉱床をなす金属鉱)。(出典:ウィキペディア)

おっと、これだと石油やガスも『鉱物』ってくくりになるのか。

これは土魔法と特性が似ているね。

・組成分解

・組成構築

・抽出

・結晶化

これに金属特有の魔法がたされるかな。あくまで単一素材として扱えればいいわけだから。

・造形

う~ん、複製はこれに入るのかな?確かに金魔法でも複製はできるんだけど。

複製は違うような気がするな。まあ、これは保留ということで。

あと

 ・合金

なんてこともできちゃうな。

それぞれの組成の割合を決めて組成構築すればいいだろうからね。


次は水魔法か。

水魔法は水、水分の流れ、精製とあるけど、これって『流動体を扱う』ってことなんだと思う。

固体では無くね。

これで血抜きの魔道具が作れたんだからあってると思う。いちいち水かどうか区別せずに血という色んな養分が混ざっているものを扱えたから『液体、流動体を扱う』ってことで再定義していいと思う。

この魔法でできることは

・水生成

・分離

・合成

・流動

・集積

って感じかな。

これらの作用を応用して

・排出

なんかの魔法が使えるんだと思うんだ。


そしてここからが新しいエレメントだね。

まずは風魔法。

それまで空気の存在はあるし、感じるけど認識はされていなかったから五行思想に組み込まれていなかったんだろうと思う。

これでできることは

・気体生成

・気体操作

・気体分離

なんかが主な作用なんだろうな。

それでできるのが

・風流操作

なんかで

・気候操作

までできる気がするな…。

これって昔の人がやっていた雨乞いの祈祷なんかかな。

まあ、今はいいか。


次は光魔法。

これには闇魔法という対のものがある。光魔法、闇魔法それぞれ単独だと暴走してしまうし、同量だと対消滅してしまう。

この辺が認識が難しくて扱いずらいところだよね。

なんとなくだけど宇宙の誕生のビッグバンやブラックホールといったものは、この光属性と闇属性の魔素の所為のような気がする…。うん、考えないでおこう。

光魔法の特性は魔素そのものに干渉するとあるけど鑑定魔法なんかは光魔法だよね。あと、殺菌や精神魔法なんかも光魔法に分類できるものがある。これってどういうことだろう…。

光魔法の本質は『理を表す』や『光によって生き物を殺す』ってことに行きつくんじゃないだろうか。滅菌や殺菌なんかも光魔法でできると思う。

治癒魔法なんかは一般的には水魔法なんだけど光魔法を併用した方がいい場合もあるよね。

傷口が化膿したりするのを殺菌できるから。あ、あまり光魔法を強くすると患部そのものを殺しちゃう可能性があるのか。とすると、木魔法の併用も考えた方がいいかもね。

それにこの制御って僕たちにはかなり難しいよね。治癒のための魔道具を作った方がよさそうだね。これならこの世界の人にも使えるだろうし。

うん、検証実験は三郎さんに、治癒魔道具の開発は小太郎さんに任せるとしよう。

病気なども極論を言えば『人体への異物の混入、変質』が引き起こしてるだろうから、治癒魔法の延長線上で何とかならないかな。

それには鑑定が必要なのか。

じゃあ、病気やけがを診断する鑑定装置とセットで開発できればベストだよね。

小太郎さんにお願いしよう、そうしよう。


闇魔法についてはこれは光あっての闇だろうね。

闇は単独では認識されないもんね。必ず闇ができるための光源、光があってこその闇だもんね。闇単独だとモノを吸い尽くしちゃうから注意が必要だね。


光魔法と闇魔法はその物質的な特性以外にも精神的な特性がある。これが精神魔法と呼ばれるものだね。

相手を呪ったり、思考操作をしたり、洗脳したり…。

思考にダイレクトに作用する魔法の総称なんだけど、これも危ないものが多いよね。

う~ん、まとめてみるか。

光魔法

・光の選別

・光の放出

・生命の維持

・魔素の操作

・拡散

こんなところなのかもしれない。

で、闇魔法にも同じ効果があると思うんだ。あ、真逆の効果か。

・光の収束

・吸収

これに付随して

・生命力の吸収

・負の魔素の操作

が加わると思うんだ。だけどこれって、今までなかった理論だから一度京介様に見てもらった方がいいよね。猫又のおばば様にも。一度会議を開いてもらおう。


みなさん忙しそうだからいつになるかわからないけど。

あ、そうか。この魔法理論体系ができればその時話ができるね。

光と闇の属性は8エレメントではその特性だけを話して応用や実用は語らないようにしておかないとね。


うん、これで一応の準備はできたかな。


あとは三郎さんに任せて小太郎さんの魔道具実験と併せて体系化してもらおう。


僕はようやく重い荷を下ろした気分になっていた。


もちろん、その後編纂のための各種実験に付き合わされたのは言うまでもない。


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