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籠球部  作者: Sofia
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練習試合間近

「今週末、練習試合をすることになった。」

顧問の岡村が練習前のミーティングの時にそう言ってきた。

「新入部員の能力を見るために組んだ練習試合だから1年生はそこで俺にアピールしてもらいたい。」

なるほどここで活躍したらレギュラーになれるのか。ところで対戦相手はどこなのだろう。と俺が考えていると岡村が言葉を続けた。

「対戦校は北央工業にした。確かに強い高校だがここを倒せない限り全国への道は開けない。バスケ部の興廃この一戦にあり!」

顧問は日本史の教員なのだ。

北央とは前にも言った通り県内随一の強豪校で毎年全国争いをしている。

かくいううちの高校はベスト16が精一杯。どう考えても格下だ。

「練習試合だし、負けてもどうもならないだろ...廃部がかかってるわけでもないし。」

いろいろなところからそんなぼやきが聞こえる。

格上と対戦することになりみんな萎縮しているのだろう。

「よし!練習試合も決まったことだし今日も張り切って練習するぞ!」

キャプテンの永吉先輩がみんなを鼓舞した。本当にいつでも熱い先輩だ。

「おお!」

キャプテンの一言にみんなが呼応した。


練習後、京が話しかけてきた。

「ねぇ、練習試合北央工業とするってマジ?」

「そうだけどどうかしたか?」

「あそこ、横瀬くんいるんでしょ?」

横瀬とういうのは俺と京と同じ小学校でミニバスをやっていた元クラブメイトだ。

俺とはなかなかに馬が合わない奴であいつが行くから北央に行かなかったというのもある。

「まぁ、そうだけど久しぶりにあいつと勝負できるっていうのも楽しみだしいいんじゃないか?」

「そう、それならいいけど。」

横瀬とは小学校は同じだったものの横瀬が県外の中学受験に成功したのを期に関わりが少なくなった。横瀬が中学時代に

所属していたバスケットボール部がそこそこ強豪だったのでたまに全国大会で顔を見る程度だった。


俺は数学が苦手だ。数学というよりも理系科目が苦手だと言った方がいいかもしれない。物理、科学、数学ⅠA訳がわからない。

将来的に海外でのプレーを考えているため英語は人並み以上にできるようにしている。地元では進学校と呼ばれているこの高校に進学できたのも英語のおかげだろう。

「...」

物理の小テストが返却されうなだれている俺の隣に京がやってきて声をかけてきた。

「なに、また不合格なの?ウケるんだけど。」

理系一筋の京からしたらこんな簡単な小テストで不合格を取る意味がわからないらしい。

「このままじゃ、中間考査赤点になっちゃうんじゃない?仕方ないわね、私が直々に教えてあげるわ。」

「うぅ...」

本当ならこんな奴の手を借りなんて嫌なのだが中間考査の後には大事な大会があるため言葉に甘えるほかない。

そんなこんなで俺と京の数学特訓が定期的に開催されることが決まった。


時は流れて週末、いよいよ北央との練習試合だ。俺はそんなにでもないが他の一年生はこれでレギュラーが決まるとだけあってガチガチに緊張している。

そんな中永吉先輩が円陣を組もうと言い出した。

円陣を組んだのち永吉先輩が話し出した。

「相手は確かに格上だ、では絶対に負けると決まったわけではない!挑戦者として胸を借りるつもりで頑張るぞ!」

「おう!」

円陣によって周りの一年生も少し緊張がほぐれたようだ。


さぁ、いよいよティップオフだ。

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