〜グランディオ設立〜
ガーディアンの襲撃から1週間と3日が経った。
アナの協力によって今までわからなかった文字の解読が一気に進み、新たな技術を得た技術者による遺跡の整備が行われた。
それにより遺跡の戦艦としての機能が復活。
戦艦に備わっていた″戦闘機自動修復装置″により、大破したNo.285もなんとか治す事ができたようだ。
「俺がここにいるのもあと4日か...」
「いやっ!お前にはもうしばらく残ってもらう!」
「うわっ 親父...研究所にいなくていいのか?」
「大丈夫大丈夫っ!あいつら優秀だからさっ!」
「ふーん… で?残ってもらうってどういう事?」
「それはな...」
親父の顔が真剣になる。
「無理を承知で頼んでいいか...?」
「なんだよ...」
「お前...No.285の専属パイロットにならないか?」
「は...⁈何で俺なんだよ⁈」
「順を追って話すからちょっと待っててくれ... この間の戦闘の事を国防省のお偉いさんに報告したらさ... その戦いぶりを買ってお前になんとかNo.285のパイロットを頼めないかって...」
「それで...?」
「当然親としては子どもを戦場に送り出すなんて嫌だって言ったんだけどさ... 断るなら遺跡の調査権を剥奪するって言われて...」
「うん...」
「今調査権を剥奪されたら確実に政府はこの危機を隠蔽して、下手したら遺跡を海に沈めるかもしれない。」
「え⁈なんの為に⁈」
「知っての通り今の平和維持党政権はマニュフェストとして【武装すれども戦せず】を掲げている。 当然そのマニュフェストは対ガーディアンにも適応される訳で... もし仮にガーディアンと戦ってる事が世間に漏れれば彼らは不利になる。」
「つまり、戦いが公になるとマニュフェストを破ったことになって政権を失う可能性があるから...って事?」
「簡単に言えばそうだ...」
「でも遺跡を沈めればガーディアンが襲ってこなくなるわけじゃないんだろ?」
「ああ。だが政府にはガーディアンの襲来をこの遺跡のせいだと思ってる連中が多くてな...」
「でも結局俺が戦ったらマニュフェストに反するんじゃ...?」
「それに関しては我々研究者をガーディアン対策機関″グランディオ″として組織し、非政府機関グランディオが戦っている事にすれば問題ないそうだ。 そこで、自衛隊ではなくグランディオのパイロットが必要になる。」
なるほど... 自衛隊を使えないから俺が乗らなきゃいけないのか...
「だから...乗ってくれないか...?」
正直迷った。
前回の戦いではなんとかなったが、次はどうなるかわからない。
でも俺が乗らなきゃ世界はガーディアンに消される...
.........待てよ...?当然その世界には俺も含まれているよな...?
そうか...それなら...どうせ死ぬなら...戦おう‼
「わかった... 乗るよ... でも今の俺じゃ次は勝てるかどうか...」
「アナがな、バーチャル訓練施設がある事を教えてくれた。お前にはそこで訓練してもらう。」
「そっか。 あ、学校は?」
「夏休みが終ったら帰って構わないよ。但し、ガーディアンが現れたらすぐに家に戻る事。」
「なんで家に...?」
「No.285はうちで管理する事になるからだ。」
「はぁ⁈あんなデカイの目立ってしょうがないだろッ‼」
「ああ、だから今急いで家の地下に基地を作ってる。」
メチャクチャだな...
「あ、それと... No.285は今後″グランダー″、No.284は″グランディス″って名前になるからよろしくっ!」
「え⁈ なんで?」
「お偉いさんの命令だ。理由なんてわからんよ。」
「ふーん...」
こうして俺はグランダーの正式なパイロットとなった。