〜No.285〜
こんなに走ったのはいつぶりだろうか。
そんな事を考える余裕もなく第9区画へと走る。
5分も走ったころだろうか...
第9区画に到着した。
この区画にはたくさんの人型のマシンが置いてある。
色は青や赤、様々だったがアナによると色の違いは搭乗者の階級を示すらしい。
全ての機体が全長40mくらいはある。
親父は真っ先に
「No.284ってのはどれだ?」
と聞いた。
「奥から二番目の機体です。」
アナもすぐに返答する。
奥へ向かうと他の機体とは明らかに違う、金と銀の機体があった。
「この銀色のがNo.284!」
そう言うと機体に乗り込み何かしている。
「よし...ジェネレーターも生きてる...あとはキーをセットすれば......あれ?」
俺はアナの様子がおかしい事に
「アナ!どうしたの?」
「キーがないのっ! メガネの形で全部鉄でできてるんだけど知らない?」
やばい...
昔親父がプレゼントとしてくれたあのレンズまで鉄のアレに違いない...
だがあんなものが役に立つと思ってなかった俺は持ってきていない。
「よかった!述明っ!お前のアレだ!」
「持ってない...」
「え⁈」
「あんなもん家に置いてきたに決まってるだろッ‼」
「お前どうして持ってこないんだッ‼」
ここで怒られるのは釈然としないが、今回の親父の怒りはまあ...多分正当だろう。
あのふざけたプレゼントを家に置いてきたせいで俺死ぬのか...
いや、まだ諦めるのは早い
他にもこれだけ機体があるんだ。
一体でも動けば...
「アナ!他の機体は動かないの⁈」
「動くには動くけど他のは出力不足でまともに戦えるのはこの機体だけ!」
「そんな...」
一瞬にして希望が失われた。
が、
「いや...もう一機あるにはあるんだけど...」
「え⁈ 本当⁈ どれ⁈」
「No.285...隣の金色の機体...でもあれは逆に出力が高すぎて危険なの...」
「でもガーディアンと対等に戦えるんだね?」
「う、うん...」
「なら...俺が乗るッ‼」
「な、述明っ!バカな事を言うなっ!」
「親父...でも...」
なぜこんな事を言ってしまったんだろう。
普段の俺なら絶対に言わない。
まるで誰かに操られてるみたいだ。
「あんた!素人には歩く事も難しいのにできるわけないでしょッ‼」
「でもどうせ死ぬなら乗ってから死んだ方が少しはマシだよ... それになんかできる気がするんだっ!」
「述明がこう言ってる時は昔から何かやらかす時だ。」
親父が言うとアナは少し考えているようだったが、やがて口を開いた。
「......でもキーはあるの?」
忘れてた。
キーがないと起動できないんだ...
「こっちのキーは合金の鍵なんだけどそれがないと動かないよ!」
親父と母さんグッジョブ!
「それならここにある!」
俺は鍵を掲げる。
その瞬間、鍵からNo.285の操縦席に向って光がのびる。
そして操縦席の扉が開いた。
「これは.... いけるかもしれないっ!」
そう言うとアナはNo.284からNo.285に飛び移る。
「親父...行ってくる...」
「生きて戻れよ...」
俺は操縦席に急いで向かう。
40mの高さまでのぼっていくのはなかなか恐いが今はビビってる場合じゃない。
俺は操縦席に着くと深呼吸した。
「サポートは任せてっ!」
「うわっ!」
気がつくとアナが俺に抱きつくようにして操縦席の後ろにいた。
操縦席はせまいからかなり密着している。
「あの...胸とかあたってるんだけど...」
「今はそんなの気にしない!操縦法教えるから集中しなさい‼」
そういえば操縦法もわからないのんだった...
「ジェネレーター起動、システム異常なし。モード、ノーマル。機体バランス正常。 反重力機関作動。よし、いつでも出られるよ‼」
アナは素早く機体のチェックを終えた。
「あとはキーをセットして操縦桿を握る。で、そこのレバーを引いて!」
「わかった! いくよ...No.285発進ッ‼‼」