〜ガーディアン〜
泣き続ける少女。
立ち尽くす俺。今の俺には何もできない...
「述明っ! ...っとこの子は...?」
「卵の中から出て来たんだけど俺もよくわからないんだ...」
「そうか... 君、名前は?」
親父は少女に問うが彼女は泣いたまま答えない。
「質問を変えよう。所属とスリーサイズは?」
「親父!お前っ...」
「スリーサイズ?あんた...乙女に何をきいてんだッ‼」
少女は泣き止み親父を怒鳴った。
「よし、まともに喋れるようになったな。で、君の名前は?」
親父もなかなかやるじゃないか、と少し思ったが尊敬はできない。
いや、むしろしたくない。
「ア、アナ...」
「アナか...向こうで話を聞きたいんだが構わないか?」
「わかった...」
俺たちは遺跡の西の調査隊休憩所まで歩いた。
休憩所といってもテントがいくつかはってあるだけだが...
彼女を座らせお茶を入れると親父は口を開いた。
「さて...いろいろ聞きたい事はあるが...まず君は″古代人″か?」
「...多分そうなると思う。」
古代人...?って事はこの子は何十万年もここで眠ってたのか⁈
「やはりな... よし、次の質問だ。君のいたあの部屋にはまだ君のように生きた人はいるのか?」
「いや...多分私だけだと思う。他のは生命維持装置が停止していたから... なぜ私のポットだけ作動していたのかもわからないけど...」
あの卵は生命維持装置だったのか...
「そうか... じゃあ最後の質問だ。この遺跡...もとい舟はどうして作られたんだ?」
舟...⁈ こんなばかデカイのが舟なのか⁈
「ガーディアンに対抗するために...」
「やはりか...」
やはりかって...親父はガーディアンを知ってるのか⁈
「親父!ガーディアンってなんなんだよっ!」
「すまない述明...それは言えないんだ。」
「なんで言えないんだよ!」
「ガーディアンとお前は関わらせたくはない... あいつらは俺たちを殺すためには手段を選ばん...」
俺たちを殺す...?
「俺たちって事は親父も危ないのか⁈」
「ああ...そうだ...」
「なら家族の俺には知る権利があるだろ!」
「しかし.....」
親父は教えるか躊躇っていたように見えたがやがて口を開いた。
「いや、わかった。教えよう。ガーディアンとは......」
親父はガーディアンについて語り出した。
彼らの目的は不明だが世界各地で彼らの攻撃による被害が出ていて各国に対策室があること。
その攻撃は少しずつ規模が大きくなっていること。
まるでワープでもしてきたかのように突然現れること。
そして、現在のテクノロジーでは彼らには歯が立たないということ。
「まあ...そんな感じだ...」
「親父、そんなやつらと戦えるのか⁈」
「現状では...無理だ...」
「無理って...」
なんで世界の政府はそんな大事な事を黙ってるんだ⁈
「いえ、方法ならあります。」
アナが口を開いた。
「この艦にあるNo.284ならやつらと対等に戦えます。」
「何ッ‼それはほんと...」
親父が言いかけたその直後警報が鳴り響く
「どうした?」
自衛官が息を切らしてテント内に入ってくる。
「ガーディアンによる襲撃です‼ 敵は三機‼」
「クソ...最近は大人しかったのになぜこんな時に...」
大変な事になってきた...
どうすればいいんだ...
「アナ‼ そのNo.284ってのはどこにある?」
親父が問う。
「第9区画です‼」
「よし、案内を頼む‼」
「待ってくれ!俺も行くよ親父‼」
俺たちは第9区画へと走り出した。