GAME 2
安田社長は車に乗り込んだ。
[随分と楽しそうですね。社長][アア。ターゲットを見つけた。私を包め闇の彼方へ][かしこまりました]
鏡の姿の向こう側。安田社長が足を踏み入れる。白銀の鎧を纏い茶色いマントを羽織る。黒いマスクを被り、頭には牛の様な角が二本。手には杖を持つ謎の男。
[シヴァ様。ご帰還ですか。収穫は?]豪華な椅子に腰掛け指を鳴らす。[ワインを。特上の奴。獲物が掛かった。前祝いだ]
[シヴァ様。失礼致します。死超星の四武将をつれて参りました][ウム。通せ。君らも一杯どうかね?][頂きましょうか。今宵の闇は最高の餌になりそうですな]
数日後、南 流星は大会の準備をしていた。[ヨシ。デッキは持った。この前より改善してより良いヤツを。お菓子も、サンドイッチも。お姉ちゃん!パジヤマいるかなー?][いるわけ無いでしょ!忘れ物。ハチマキ。持ってきなさい][お姉ちゃんは出ないのか?][だって招待状も無いのよ。大丈夫。あんたなら][そうか。ジャーな。アキラが待ってるから]
………たかだかゲームなんかに夢中になって。あの子変わったわ。アキラ君と勝負して以来。結局ライバルが欲しかったのかな?……………
[行ってくるよ。パパ][アア。そうか。店も忙しいんだ。帰ったら手伝えよ。あとそれから…………]アキラの父親はしゃがんでアキラの目線に合わせた。[良いか。お前には俺の血が流れている。零細企業の魂が。零細イズムを知ってるか?負けても良い。だが朽ちるな。以上だ。行ってこい][ウン。パパ。行ってくるよ]
………南 流星君か。彼が息子に生きる糧を与えてくれた。私の教育方針でも義務教育でもない自分の道を…………
一方、女子大生ミホも招待状が届いていた。[チャンピオンに招待状なんて挑戦状でしか無いわよね。気に入らないわ。行ってやろうじゃない。返り討ちに][お姉ちゃん。お出掛け?]カードショップの子供達が駆け寄る。[エエ。またタイトルを増やしてくるから。期待してなさい。良い子にしてるのよ。合い言葉は?][カードは!友達ぃー!]子供達が元気に腕を突き上げる。ニッコリ笑うミホ。[ヨシヨシ。元気でね。じゃあ店長。行ってくるわ][ミホ…………済まんな。君にばっか損な役回りを][アライヤだ。結構楽しんでるのよ。迷惑なもんですか]
深紅のバイクに股がり投げキスをする。
三人の運命が交差する。果たして死を超える星。死超星 四武将とは何者なのか?
続く