「デザートは……」
つたない文ですが、ぜひ読んで下さい。できれば感想も下さい。
「あの子いつも一人じゃない?」
「態度が冷たいんだよね、こっちが話しかけても向こうから話しかけてこないし」
「人に興味ないじゃないの」
本人に聞こえないように言えよ。さっさと食堂を出るよ。
私、秋山薫は生まれて18年間友達がいない。別に私は人見知りするわけでわない。むしろ初対面の人とは楽しくしゃべれる。でもある程度の仲良くなると、いろんなことを考えてしまい。ちょっとでもその人に嫌われているじゃないかと考えてしまうと、ならこっちから話さすのいいやと思うの。すると相手は「私、嫌われてる」とか「冷たい奴」と言われて私と話さなくなっちゃう。そんな感じで私はいつも一人だった、とても悩んだ時期もあった。でも人間怖いもので、慣れると以外と平気。当然彼氏もいない。みんなサークルしたり、遊んだりして大学生活一年目を楽しんでいるようだが、それがめんどくさい。楽しいのは、散歩と読書。もちろん一人でだ。
今日も陰口を言われるので早めに食堂を出る、午後の授業が急に休講か。どうしよう、いつもの喫茶店「花」に行こうかな。うちの学生の噂になるほどのまずい店だ。だから誰も来ないので、よくこの店に行く。何回も通って、なぜかレモンティーだけ格別うまいことがわかってからは、週一で来ている。着いた着いた。店の前で肩を叩かれた。私が振り向くと、
「あの僕のことわかります?」
私はすぐに顔を下に向けてしまった。それはそうだろ初恋の相手だ。少しの間喋れなかった。
僕は驚いた、中学校の時の初恋の人に会えたのだから。高校時代に電車で見た以来だった。中学生頃は気がつくとあなたのことをばかり見ていた。一度も目が合わなかったのは奇跡に近い。しゃべったのは数えるほど。もう会えないと思っていたのに。でも奇跡は起きた。だから勢いで話しかけてしまった。でも、彼女は僕のことを知らないかも。さっき聞いたら、
「一応わかります」
と、言われたし。卒業の時に貰う色紙の彼女の欄には、「あんまり話さなかったけどこれから頑張って」と書いてあったことを思い出した。彼女は下向いたままだし、携帯電話でもいじってるのかな。失敗だったか。でもこっちが誘ったわけだし、なんかしゃべらないと。
「あの何頼みます?オススメはレモンティーなんですが……」
「はい……」
その一言しか言えなかった。坂本頌の名前は忘れたこともない。ずっと大好きだったから……。緊張して顔をあげられない。中学生の頃もそうだった、好きなのに顔を見ることも無理。でもなんで話しかけてくれたんだろう。中学時代もほとんど話さなかったのに。でもとても嬉しい。この気持ちは伝えたい、
「あの……」
そういえば知ってるかな、
「あの……」
と言った瞬間彼女と言葉が重なった。僕は恥ずかしくなり顔を伏せてしまった。彼女が、
「おっ、お先にどうぞ」
そういってくれたので、
「あっはい、突然声をかけてすみません。中学卒業以来だったのでびっくりして。店もここよりおいしいとこにすれば良かった……」
最後は独り言になってしまった。それを聞いた彼女は顔をあげて驚いた顔する。
私は驚いた、
「もしかして、レモンティー選んだのはそれしかおいしくないから?」
彼も驚いて
「そうなんだよ、レモンティーだけは天下一品なんだよね」
いたんだ、私以外にも気づいている人。なんか突然のサプライズプレゼントの貰った気分になった。
「後最近は、オムライスもおいしくなってきてるんだ」
最近はレモンティーしか頼まないので知らなかった。
「本当?食べてみようかな」
彼はマスターが厨房から出てきたので、顔を近づけてきた、私も彼の声を聞くために顔近づけた。
僕はひそひそ声で、
「食べれないから、まずいけど食べれるになっただけだけどね」
また彼女は笑ってくれた。僕はこの笑顔が一番好きだったんだ。いつの間にか、彼女と僕の僕の顔の距離は5㎝ほどの距離しかなかった。恋人ならキスの距離だ。目と目が合った。
「レモンティーです」
驚いてすぐに距離をとった。二人ともレモンティーを一心不乱に飲む。二人とも半分はなくなった。変な空気になっちゃたな。何とかせねば。勇気を持って切り出す。
「あのさっき言いかけたことはなんですか?」
すっかり忘れてた。
「また会えて嬉しかった」
なんて言えなかったから、
「……話しかけてくれてありがとう」
気持ちの1%しか伝えられなかったけど、これが私の精一杯。
話しかけても良かったか不安だったけど、そう言ってもらえると安心した、
「僕も話せて良かった」
素直な気持ちを伝える。
なんかとて心地良い。私が彼を好きになったのは、なんか一緒にいるだけで安心するところだ。なんかわからないけど、彼と話しすると相手は心地良く話しをする。普段無口な人も饒舌になる。私は彼が好きだからうまく喋れないけど。
「そうだ、良かったらオムライス食べて見る?」
彼女は微笑みながら頷いた。
マスターに注文をしている時にやっと彼をしっかり見れた。カッコイイというより優しい感じする顔、もう……大好き。彼が急に振り向いたのでまた目があった。
「どうしたの、顔になんかついてる?」
下向いて首を横にふった。すると彼が、
「今大学行ってるの?」
その質問をしてから私は今している勉強や、アルバイトの話しをした。緊張がほぐれ、気づくと彼の目を見て話していた。
「ごめんなさい、私のくだらない話しばかり」
「そんなことないよ、楽しいよ」
好きな人のこと聞けて嬉しいに決まっている。むしろもっと聞きたかった。この時間がずっと続けばいいのに。彼女が少しすまなそうに、
「後もう一つ謝らないといけないことがあるの。坂本君のことさっきは一応覚えてるって言ったけどちゃんと覚えてたの」
言った後少し顔が赤くなった。どういう事なんだろう
「何で覚えてたの、あんまり話しもしなかったのに」
なんて言えばいいんだ。どうしよう。
「えっあのえっと、何となくだよ。じゃあそっちはどうして?」
彼も困ったような表情になってしまった。
「それは……」
「オムライスです」
マスターの登場でうやむやになって助かった。
助かった、安堵の息を吹いた時彼女していた。そしてふたりで笑った、
「食べようか」
「そうだね」
「おいしい」
私は思わず声を出してしまった。こんなに美味しいなんて。彼も、
「前より五段階は上がってるよ」
少し食べてから、
「友達と良く来るの?」
と聞かれた。それは多くの人がする質問。でも私はされたくなかった。
「まあそうだね」
彼女はとてもぎこちない返事だったので、友達の事で悩んでいるような気がした。そういえば中学生の頃もなんか人と話す時に無理していたな。
オムライスは二人とも完食した。
「そろそろ講義の時間になるから行くね」
彼が真剣な顔で、
「ちょっと待って、思ったよ目の前にあることに逃げちゃいけないって」
僕は覚悟を決めた。
「怖いけど聞くよ。秋山さんが好きだ、付き合って欲しい。良かったら来週また同じ時間に来て。」
そういうと走って行ってしまった。驚いて腰が抜けてしまった。今日は急な休講だったからこれただけなんだけどなぁ。でも嬉しかった。そんなんじゃ表せない、心が喜び満たされている。幸せってこのこと言うのかな。そしてもう一つ……。
学校に着いた。講義の始まる10分前。彼を見習って、私も新しいことに挑戦しよう。一人の女の子の隣席が空いていた。
「あの隣いい?」
自分が思ったより小さい声だった。聞こえてないよね。そう思い後ろの席に行こうとしたら。
「大丈夫聞こえてるよ、ここどうぞ」
とてもかわいい笑顔でその子は言った。彼のおかげで小さな一歩だけど踏み出せた、ありがとう。