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鈴木太郎シリーズ

鈴木太郎の悩み事

作者: ボマー
掲載日:2026/02/01

二話目書けました。

最近の俺には悩み事がある。

それは―――

「こほん。鈴木さん?最近、黒石さんとあまりお話されていないようですが」

こいつだ。

こいつは華絢院 麗爛(かけんいん れいら)。社長令嬢でお嬢様。

リアルでお嬢様言葉を話す、かなり変わった奴。

どういう訳かここ数日、俺に話しかけてくる。

俺と彼女に共通点はない。

委員会は別だし、部活は俺が入ってないし、今年クラスメートになったばかりだし。

全くもって意味不明だ。訳分からん。


「ちょっと鈴木さん。聞いているんですの?わたくし、質問しているのですけど」

「何で俺と黒石について聞いてくるんだよ」

なんか話の内容も『俺と黒石の関係』についてばっかり、なんだよな。

「質問に質問で返さないでくださいまし」

「はいはい。別に黒石は隣の席ってだけ。話す時もあれば、話さない時だってあるよ」

「それではいけませんわ。お二人はいずれ―――」

華絢院はそこまで言うと言葉を止めた。

そしてどこか一点を見つめ、ぽーっと頬を赤く染めている。

顔も現実が見えていないような、夢を見ているような・・・・・・なるほど。

これが最近習った、“夢見心地“ってやつか。

「ん、んん。なるほど、自覚していないのですね。ですが教えてさしあげることはできませんわ」

「なんで?てか何を」

「それでは成り立ちませんもの。示唆するにも難しいですし・・・・・・」

さっきから何を言ってるんだ、こいつは。

いよいよ困惑する。


「麗爛ちゃん、どうかした?」

華絢院との会話に夢中で気づかなかったが、黒石が近づいてきていた。

「あら黒石さん!ごめんあそばせ、このままではお邪魔になってしまいますわね」

そそくさと俺達から離れていく華絢院。

なんだったんだ、あいつ。

「何話してたの?」

「俺と黒石がなんで最近話してないんだって聞かれた」

「ふうん」

黒石は顎に手を当て、考える仕草をした。

「良からぬことを考えてるんじゃないだろうな」

「良からぬことって?」

「お前、人の幸せ壊すの好きだろ」

「んーまあね。でも麗爛ちゃんが何を期待してるのか、ちょっと分からないし」

「壊しようがないってか」

「うん。これからは麗爛ちゃんを重点的に観察しようかな」

「あっそ」

ん・・・・・・重点的?

無愛想に返事した後に気づいた。

「お前、皆のこと観察してんのか・・・・・・?」

「まあね。大体弱みは握ってる」

「は!?マジかよ」

引くわ。

そのとき、授業の開始を告げるチャイムが鳴った。



時間は一気に飛び、帰ろうと準備している時。

「タロー君。一緒に帰ろ」

「はあ?何でだよ急に」

訳分からん。いつも一人で帰るのに?

「いいじゃん、たまには」

「いや、いつも俺ら一人で帰ってんじゃん」

「かぁえ〜ろ〜よ〜」

黒石は俺の手を握り、ぐいぐい引っ張ってきた。

「なっ!やめろよ」

勘違いされるかもしれないだろ!

「かぁえ〜ろぉおよ〜」

しつこいな、こいつ!

「ああ、もう!分かったよ―――一緒に帰るか」

「ふふ。うん、か〜えろ」

手を繋いで、俺らは昇降口に向かった。


学校からある程度離れた道。

黒石が急に歩みを止めた。そして振り返った。

「黒石?」

「やっぱり。麗爛ちゃんついて来てる」

俺も同じ方向を見る。すると、物陰の奥にうちのセーラー服が見えた。

少し視線を上げると、見覚えのある栗色の髪が見える。

「華絢院だよな、あれ」

「うん。私の読みは当たってたみたい」

「読み?」

俺と黒石は前を向いて、小声で会話し始める。

「麗爛ちゃんて朝読書の時間によく、ラブコメ小説読んでるんだよね」

「でもいつもブックカバーつけてるくね」

「うん。この前麗爛ちゃんが、たまたま本を落として、その時にカバーが外れて表紙が見えたんだ」

「そうだったのか―――あれ。いや、でも」

華絢院がラブコメ好きというのは初めて知ったけど。

「華絢院の好みと俺らに何の関係が―――?」

どうもそこが繋がらない。

黒石は小首を傾げ、目を伏せて答えた。

「たぶん、私達がラブコメみたいに恋人同士になるのを期待してるんじゃないのかな」

「はあ?お前と俺が?なるわけないだろ」

「だよね」

「んだよ、全く」

俺はため息をついて、また華絢院の方を見る。

それでストーカーみたいに付き纏ってんのかよ。

他人の迷惑考えろよ―――。

「どうする?このまま一緒に帰るのか」

「まあ、ここまで来ちゃったし。家まで送るよ」

「俺ん家知ってんのかよ」

「通り道だからね」

ちょっと怖い。気づかない間によく見られていたみたいだ。


少しして、俺の家の前に着いた。

本当に知ってたんだな。

「んじゃここで。また明日」

「うん。また明日ね」

手を振り合い、俺らは分かれた。



――――その時、華絢院麗爛の視点――――

「ふぉぉぉ・・・・・・お、お二人が手を繋いで帰られましたわぁぁ。これはもう確定では!?」

もう既に付き合っていたのですね!

これからもお二人の甘酸っぱい姿を眺めようと思った、その時。

「君、何してんの?」

不意に後ろから声をかけられた。

何なんですの?わたくしは感動を噛み締めているのに。

振り返ると、そこには―――。

髪をつーぶろっく?とやらにして銀に染めている、大学生くらいの眉目秀麗な男性がいましたわ。

純愛の正反対にいそうな人―――。

それがわたくしが男性に抱いたイメージ。

「何かご用ですの?わたくし今忙しいのですけど」

「そこ、俺ん家なんだけど・・・・・・」

男性は鈴木さんのお家を指さした。

「ええ!?」

こんな、素の美しさを無下にしているような男が、鈴木さんと一緒に暮らしているの!?

「あ、あなた何者ですの!?」

「それ俺のセリフでしょ。自宅の前で顔赤くして鼻息荒くしてるJC見つけたら、誰だって異常だと思うし」

「わたくしは正常ですの!」

「もしかして太郎の知り合い?」

「ええ!鈴木さんのクラスメートの華絢院麗爛と申しますわ」

「太郎も大変だな。随分と変わった子がクラスにいるもんだ・・・・・・」

男性はすっとわたくしの脇を抜けて、歩いていった。

「どこ行くんですの」

「帰るんだよ。普通のことじゃん」

そのまま男性は家に入っていった。

あの男性と鈴木さんが同居・・・・・・。

やはり信じられませんわ。

次の話で、男性の正体明かそうと思います。

もしかしたら、太郎は“自分は普通“と思ってるだけで、普通じゃない・・・・・・かも?

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