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ギルドに一般人!?冒険は最凶勇者と共に!

はじめまして、浜坂です!


雄大と優花、二人ともぶっ飛んでます。

はい……色々と。


「え?……どうして雄大君の分は、免除されないんですか?」


優花は受付さんを真正面から見据え、()()()()()()()()()()()()()()でそう言った。


「え、えっと……き、規則ですので……」

受付さんは声だけでなく、肩や指先まで小刻みに震えている。


――待て待て。

それ以上追い詰めるのは、さすがに可哀想すぎる。


「優花、もういいから……」

俺は慌てて割って入った。

「ギルドに迷惑かけたのは、事実だし。」


「でも雄大君」

優花は不思議そうに首を傾げる。

「自分には、関係ないって言ってたよね?」


……言ったけどさ。


「だから――」


にこっ。

さっきより一段階"圧"の増した笑顔で、

受付さんに視線を戻す。


「受付さん。()()()、しますね?」


笑顔なのに、目がまったく笑っていない。


――俺のストーカー、怖すぎるんだが。


「は、はいっ!!」

受付さんは即答だった。


「え、ええと……そ、その……」

「彼氏さんの修理費も、せ、請求致しません!!」


……ああ。


完全に俺は、()()()()()()()として認識された。


受付のお姉さんルート――

開始前に、無事消滅である。



「で、では……冒険者について、簡単に説明しますね」


まだ少し震えの残る声で、受付さんは一度咳払いをした。


「冒険者に登録された方は、あちらの掲示板に貼られている依頼書の中から、ご自身のランクに合った依頼のみを受けることが可能となります」


よし、ここからはテンプレだ。

異世界モノで何度も見てきた流れ。

知ってる。分かる。安心する。


……そう思っていたのに。


ちらっと優花を見ると――

さっきまでの威勢はどこへやら、完全に魂が抜けた顔でぼーっとしていた。


おい。

数分前まで受付さんを震え上がらせていた張本人と、同一人物か?


「冒険者ランクは、基本的にFランクからAランクまで」

「そして――規格外の方のみが到達する、Sランクも存在します」


「Sランク……」


思わず声が漏れた。


……まあ、俺には一生関係ない。

分かってる。分かってるけどさ。


ああ……

チート、欲しかったなあ……


「それでは、今から適性検査を行います」


受付さんは奥の部屋を指差した。


「お二人の能力や職業、適性を測定します。

どちらから始めますか?」


「はい!私からで!」


優花が元気よく一歩前に出た。

無邪気で、無防備――


……逆に、怖い。


「で、では……こちらの水晶に手を当ててください」


優花が水晶に触れた、その瞬間。


――カッ。


視界が白く染まるほどの、眩い光。


「えっ……!?」


受付さんの声が、完全に裏返った。


同時に、水晶の横に――

見慣れない文字列が、ゆっくりと浮かび上がる。



姫路 優花

ジョブ:勇者

物理攻撃:A

物理耐性:A

魔法攻撃:B

魔法耐性:A

素早さ:A

知性:ERROR

協調性:F



「……え?」


空気が、固まった。


「え、えっと……知性が……エ、エラー……?」


「え?それって何ですか?」

優花は無邪気に首を傾げる。


受付さんは水晶と用紙を何度も見比べ、冷や汗を浮かべながら口を開いた。


「本来は数値で表示される項目なのですが……」

「今回は……倫理観が欠如しているため、測定不能です」


「へぇ〜!」


へぇ〜じゃねぇよ。

それ、もう勇者の皮を被った災害では?


「そ、それと……協調性がFですね……」


「大丈夫です!雄大君がいるので!」


その瞬間、受付さんの視線が、ゆっくりと俺に向いた。


やめろ。

こっちを見るな。

巻き込むな。


「……スキルは、剣術レベル1」

「間違いなく……勇者、です……」


語尾が、完全に自信を失っている。


「ありがとうございます!」

優花は満足そうに一礼した。


――そして。


「で、では……次は雄大さんですね……」


嫌な予感しかしない。


水晶に手を当てる。

光は――控えめだった。


受付さんは結果を見て、言葉を探すように一瞬黙り込む。


「えと……ジョブは……配達員、です」


……ん?


「俺の空耳ですよね。まさか配達員な訳――」


「配達員です!」


食い気味に訂正された。


「…………」


「いや、せめて戦闘職にしてくれよおお!!」


もう日本に帰りたい。


「能力の方も……ほぼ、平均的ですね」


ですよね。

配達員だもんな。


「ただし」

受付さんが、もう一度水晶を覗き込む。


「素早さだけが……Sです」


「S?」


「規格外、ですね」

「スキルは……疾走レベル1」


「……つまり?」


受付さんは、ほんの一瞬だけ目を逸らしてから告げた。


「はい」

「足が速いだけの一般人です」


フォロー、ゼロかよ!


「おおー!すごいね雄大君!」

優花がぱちぱち拍手する。

「配達、いっぱいできるね!」


……嬉しくねぇ。



「こ、こちらが……お二人のギルドカードになります」


受付さんが差し出した、小さな金属製のカード。

そこには、名前とランクが刻まれていた。


「Fランク……」


まあ、そうだよな。


「依頼を達成するごとに、ランクは昇格します」

「FランクからEランクへは、依頼を五つ達成すれば可能です」


五つか。

思ったより、現実的だ。


「五回くらい、この聖剣があれば楽勝だね!雄大君。」


優花が、見せつけるように聖剣の柄を握る。


「あはは!そうだな!聖剣でパパっと終わら――」


「いや、待て。」


「その聖剣、扱えないだろ!! 」

「この自称勇者ああああ!!」


「え、そうだっけ?」


ドヤ顔で首を傾げるな。


……早速、不安だ。

この冒険者生活。


――今から入れる保険とか、ありませんか?

生命保険とか。

できれば、異世界対応のやつで。


読んでいただき、ありがとうございます!


適性検査は、まさかの結果でしたね。


次回、二人は初依頼を無事に達成できるのか、お楽しみに!

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