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開始数分で詰み!?異世界はストーカーと共に!

はじめまして。浜坂です!


ギャグ寄りの異世界コメディです。

気楽に読んでもらえたら嬉しいです。


「――異世界に転生させてあげます♪」


その一言で、俺、神戸雄大(かんべゆうだい)の人生は、説明不足のまま強制終了した。


「ちょ、待て待て!能力とかは!?チートとか!!」


「ありません♪」


「……は?」


あまりにも即答だった。

俺の希望を断ち切るスピードが、プロの仕事すぎる。


女神は、にこやかな笑顔のまま続ける。


「その代わり、()()()()強力な助っ人は用意してありますので」


――その言い方、絶対ロクなやつじゃない。


「……で、俺は何をすれば?」


「ちょっと異世界まで行って、魔王討伐してきてください♪」


()()()()のノリで言うな!!」


俺の悲鳴を完全スルーして、女神は満足そうに頷いた。


「では、説明は以上です!」

「質問は受け付けてません♪」


「待て待て待て!助っ人って誰――」


最後まで言い切る前に、女神は軽く手を振る。


「良き異世界ライフを〜♪」


視界が、真っ白に歪んだ。


「ふざけるなああああ!!」


――こうして俺は、

何一つ貰えないまま、異世界に投げ捨てられた。



目を開ければ、見知らぬ世界にいた。


石造りの街並み。

行き交う馬車。

耳に届く、人々のざわめき。


「……異世界、か。」


空を見上げて、溜め息をつく。


「まさか本当に転生させられるとはな……」


よくある中世ファンタジー世界。

ビルも電柱もない街並みに、胸がざわつく。


「すげぇ……」

思わず声が漏れた。


美男美女ばかりの人混み。

獣人、エルフ、見たことのない種族まで普通に歩いている。


アニメ好きな俺としては、

思わずテンションが上がってしまう。


「異世界、想像以上だな……」


――意外と、やっていけるかもしれない。


それに何より。


()()()()()と、さよならできたの、最高すぎる!」


心からそう思った。


……一瞬、想い人の顔が脳裏をよぎったが、すぐに振り払う。


「……真緒と会えないのは残念だけど」


その瞬間。


――背中に、嫌な気配を感じた。


「……ん?」


振り返りたい。

けど、振り返ってはいけない。

俺の勘が告げる。


……いやいや、考えすぎだよな。


そうだ。

あの()()()()()()は、どこだろうか。



「やべ……迷った」


気づけば、三十分。

見事に道に迷っていた。


「どうすんだよ……」


見知らぬ人に話しかける勇気?

コミュ障の俺には無理だ。


その時――


「やっと見つけた!雄大くん!」


背後から、聞き覚えのありすぎる声。


「……え?」


恐る恐る振り返る。


そこに立っていたのは――

黒髪ロングの見覚えしかない美少女。


しかも、重そうな()()を、地面に引きずりながら。


「……なんで、姫路優花(ひめじゆうか)がいるんだ?」


一瞬、頭が真っ白になる。


幻覚だ。

そうに違いない。


だって――


「ついてきちゃった♡」


「……」


目を擦るが……消えない。


「普通、異世界までストーカーしてくる!?」


「だって()()の私が、雄大くんと離れ離れなんて無理だもん!」


頬を赤らめながら、優花は言葉を続けた。


「だから、女神様にお願いしたの♡」


嫌な汗が背中を伝う。


「まさか……」


「うん!私だよ、雄大くんの助っ人!!」


――終わった。


俺の異世界人生、開始数十分で詰みかけている。



視線を落とすと、黄金色に輝く剣が目に入った。


「……その剣って」


「聖剣だよ!女神様から貰ったの!」


ズルい。

俺は何も貰っていない。


「勇者になったから、私が雄大くんを守るね!」

優花は胸を張り、堂々とした口調でそう告げた。


いや、そのセリフ、

俺が可愛い女の子に言いたいやつ!


それより。


「なんで、その剣……引きずってるんだ?」


「あ〜……それはね……」

視線を逸らし、もごもごと呟く優花。


彼女は聖剣の柄を両手で掴んだまま、

なぜか地面を見つめている。


……嫌な予感がした。


「……重くて、持てなくて」


「……え?」


「だからね!」

「この聖剣、重すぎて私じゃ扱えないの!!」


真顔だった。

冗談じゃない、ガチのやつだ。


「はあああああ!?」


俺の助っ人、

ぽんこつ自称勇者(兼ストーカー幼なじみ)だった件。


「キャラ盛りすぎだろ!!」


こうして俺の異世界ライフは、

開始早々、完全に詰みかけていた。


しかも、このぽんこつ勇者――

まだ序章にすぎない。

次の災難は、もう目の前に迫っている。


読んでいただき、ありがとうございます!


雄大の異世界ライフ、いきなり困難に直面……というか、助っ人がぽんこつすぎてもう大変です。


次回、二人がどんな珍道中を繰り広げるのか、お楽しみに!

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