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窮地

さびれた廃工場で向かい合うのは殺気立つ猛者同士。桜庭、黒瀬、四条、五十嵐、内海、そして佐久間。相対するは星衛隊五剣、蟹座の「湊航世(みなと こうせい)」牡羊座の「姫宮飛鳥(ひめみや あすか)」。互いに得物を構え、睨みを利かせている。そして桜庭の背後には、望遠鏡座の化身「テレスコピウム」が姿を現わしている。


「陽翔…お前…」


星座の化身の顕現。星の子の能力が最大まで発揮され、星座の化身に認められることで初めて使用することができる、星の子の極地である。元より星の子の能力は星座の化身に依るもの。星座の化身は星の子と同様の能力が使用可能である事は当然ながら、顕現させた星の子の潜在能力を120%引き出す。現時点で星座の化身の完全顕現を可能としているのは、桜庭を除き2名しか存在しない。


湊は思考を巡らせる。

「このガキ、そこまで強い様には見えないけど…しかも顕現の詠唱をしてない。無詠唱顕現…そんなことが出来るのか?芥生(あざみ)さんですらできないことを。何かしらのからくりがあるな…」

そして構える。


「来るぜ。」


湊がスタートを切る。


「とりあえず味見しようか!」

「速い…!」


「ガキィィン!!」狙いは桜庭だ。湊が桜庭にロングナイフを振り下ろす。しかしその刃は桜庭に到達する前にテレスコピウムが受け止めた。


「やるね…」


テレスコピウムが湊を弾き飛ばす。その着地を狙って黒瀬と四条が仕掛けに行く。

「隙をやらない!」

「手数で攻める!」

黒瀬はペガサス座の力で加速する。四条は回り込む動きだ。


「らぁ!!」


黒瀬はナイフを振り下ろす。湊は左のナイフだけでそれを軽々と受けた。


「ほいっと」

「チィ…!」


そのまま右のナイフで横なぎを振るう。黒瀬はバックステップでギリギリ躱す。さらに湊が距離を詰める。そして勢いで突きを放つ。黒瀬は体を捻って躱す。少し頬が裂けたがそのまま回転して攻撃に転ずる。そこからナイフ同士の斬り合いになる。銀閃が激しく入り乱れる中、互いの得物から火花が散る。スピードは互角だが段々と黒瀬が押され始める。黒瀬の表情が焦燥に変わりだした頃、湊の背後からもう一つの影が現れる。四条だ。四条は突きを放つ。その突きは湊の首を正確に狙っていた。本来なら対応できるはずがない。だが湊は、チラッと後ろを見て、黒瀬の相手をしながら背後への蹴り上げで四条の剣を弾いた。その瞬間だった


「先輩!避けて!!」


声を発したのは五十嵐だった。手にある2つの炸裂弾には既に火がついている。そしてそれを湊の方に投げた。黒瀬はペガサス座の力で高速バックステップ。回り込みながら地面に”終点”を定義していた四条も定規座の力を使って戦線離脱した。すぐ起爆するように導火線が短く切られた炸裂弾は避けられない完璧なタイミングで港に届いた…はずだった。なんと湊は2つの炸裂弾を一振りで弾き返した。その炸裂弾は二人の中間地点で爆発した。一旦状況がニュートラルへとなったところで黒瀬は思考を巡らせていた。


「さすが五剣と言ったところか、尋常じゃないくらいに強い…そして不可解なのは…」


それと同時、佐久間も思考を巡らせていた。


「あの、姫宮っつう女。あの場所から一歩も動いてへんし、動く気配すら無い…。明らかに怪しすぎる。」


その時だった、姫宮が口を開いた。


「湊。そろそろ遊びはいいだろう?早急に決着をつけてもらいたい。」


それに応えるように湊も口を開く。


「まあまあいいじゃない。興が乗ってきたんだから。」

「あと5分だ。それ以内に決着をつけないと私が全員殺す。」

「おいおい、せっかちが過ぎるってもんだろ。それに桜庭は生け捕りだからな!」


桜庭たちはその会話を中距離から眺めていた。


「なんだ?仲間割れか?」


桜庭はただ静観していた。だが、黒瀬と佐久間はこれをチャンスと捉えていた。


「こちらへの警戒が緩んでいる…これは」

「なんかよぉ分からんけど…まあどっちにしろ」

「「好機」」


黒瀬と佐久間がほぼ同時にスタートを切る。

湊はこちらに視線すら向けていない。依然として姫宮と会話している。


「それに…」


瞬間、桜庭は嫌な予感を感じた。


「なんだ…この異様な空気は…?何か来る!パイセン!!佐久間!」


桜庭は叫んだ。が、それは届かなかった。黒瀬と佐久間は既に攻撃の体勢だ。


「5分もかかんねぇよ」


次の瞬間。血飛沫が舞った。黒瀬と佐久間の血だった。

「何が…起こった…?」

「間に合わへんかった…」


二人は何が起こったのか分からないという顔だった。


「ゴフッ…」


黒瀬は片膝を付き、佐久間もギリギリで立っていた。


「まずい!!」


桜庭は駆け出す。他のメンバーも一気に駆け出した。


「まずは、黒瀬と佐久間の回収!」


四条は冷静に状況を見極める。


「先輩に何してんだ!!」


五十嵐は怒りのままに湊に突っ込んで行った。桜庭も湊に向けて駆け出す。


「とりあえず回収は他に任せて、追撃を抑える!」


内海も五十嵐、桜庭と同様に攻めに転じる。


その傍らで、再び動き出す影が二つあった。


「佐久間…さん…」

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回の更新予定は12/21(日)です。

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