散歩の九百七十八話 市内巡回の成果
日中のシロとアオの巡回で、多くの犯罪者を捕まえることができました。
捕まえたものの聴取を行い、更に犯罪者の情報を分析することになっています。
聴取担当の騎士団員や兵は大忙しだけど、軍務大臣は良い経験になると言っていました。
僕はというと、相変わらず書類整理を行っていました。
頑張っている騎士団員や軍の兵を押しのけて、僕が前面に出ないように気をつけます。
「あの、シュンさんは別に僕たちの前面に出ても問題ないのですけど……」
「そうそう、なんていっても子爵様だもんな。指揮官を任されるのだから、問題はないだろうよ」
日中一緒に仕事をしていた騎士団員や軍の兵が、僕にそんな事を言ってきます。
でも、中にはプライドが高くて、僕なんかが前面に出るとふざけるなと言う人もいるから気をつけないといけないんですよ。
中々騎士団のようにはいきません。
さてさて、今日はこれで日勤の人は終わりです。
明日はきっと大忙しだから、今夜はしっかりと体を休めないとね。
僕は、ガンドフ様とトーリー様と共に、この後の行動について確認をします。
ガチャ。
「失礼します」
「おお、シュンか。仕事を手伝ってくれてだいぶ助かったぞ」
ガンドフ様の執務室に行くと、書類整理をしているガンドフ様が僕を出迎えてくれました。
シロとアオもソファーに座ってお菓子を食べており、一度軍の施設に戻っていた軍務大臣とトーリー様もソファーに座っていました。
「スーもそろそろ来るから、シュンもソファーに座って休んでいてくれ」
「シュンお兄ちゃん、こっちだよー」
ガンドフ様の声に連動するように、シロとアオが僕を手招きしていた。
僕もシロの隣に座り、紅茶を口にしました。
「シロとアオのお陰で、闇賭博関連者を追加で捕縛した。尋問を進めた結果、これからの強制捜査を裏付ける証言も得た」
「えへへー」
ケーキを頬張っている軍務大臣の話に、シロは少し照れたような表情を見せていました。
それだけ、シロとアオ、それにうちの馬の嗅覚が凄いのでしょう。
すると、トーリー様がこんな事を言っていました。
「シロはまだ勉強もしないといけない。だから、来週からは午前中は勉強して午後から市内巡回に加わってもらうとしよう」
「えー! そんな……」
シロは巡回をすれば勉強をしなくてもいいと思っていたみたいだけど、流石にそう上手くは行かないですね。
ガーンとショックを受けていたけど、こればかりは仕方ありません。
アオも、午前中はみんなの勉強を教える事に注力するそうです。
僕は、基本的にいつも通りの仕事をしていればいいみたいですね。




