散歩の九百七十一話 一番凄かったのは誰かな?
王城に着くと、直ぐに会議室に案内されました。
そして、先ほどの件が共有されました。
「ローラン伯爵と人神教は協力関係にあった模様ですが、どうやらローラン伯爵が力を持ったと勘違いして暴走し始めたので人神教は手を引きたかったようです」
ガンドフ様が先ほどの様子を報告し、集まっている偉い人たちも真剣に話を聞いています。
人神教が絡んでいるので、真剣度も高いようです。
「ローラン伯爵に関しては、これから更に厳しく取り調べを行います。問題なのは、人神教の執事が来年聖教皇国で会おうと言った件になります」
「来年聖教皇国では、次期聖教皇を決める選挙が行われる。人神教は、その選挙で何かが起きると言うのだろうな」
ガンドフ様の報告を、陛下は腕組みをしながら聞いていた。
陛下曰く、過去には次期聖教皇の座を巡って血みどろの争いがあったらしい。
しかし、近年はとても平和に決まっているはずだという。
「何にせよ、人神教が聖教皇選挙に何らかの影響を与えようとする可能性もある。斥候を増やして、情報収集を行うとするか」
陛下の決断で、今後の対応が決定しました。
情報を集めないと判断できない事も多いので、暫くは待ちになりますね。
「ローラン伯爵家は、裁決が出るまでいつも通りの対応になる。当主と嫡男の貴族権限を停止して、孫を暫定当主とする。孫が書類を見つけた行為は、情状酌量として考慮しよう」
ローラン伯爵家に関する事は、後は軍の調査待ちです。
人神教に接触していただけでも大罪なので、相当厳しい取り調べが行われるはずです。
「人神教が、また何かをしでかそうとしている可能性がある。国内においても、引き続き厳重警戒を行うように」
「「「はっ」」」
陛下がこの場をしめて、緊急の会議は終了です。
昼食の時間になったので、そのまま食堂に移動します。
「昨日注意をした危ない貴族は捕まえたよ」
「「「おー」」」
昼食時にちびっ子たちに安心してと伝えたら、みんな一斉に安堵の声をあげました。
すると、ある質問をした人がいました。
「ねーねー、誰が一番すごかったの?」
「「「凄かったの?」」」
ジェフちゃんが無邪気に何気なく聞いてきて、更に他の子も一緒に聞いてきます。
うーん、間違いなく一番活躍したのは王妃様だけど、どうやって説明すればいいだろうか。
すると、ここでスーが助け舟を出してくれました。
「今日一番活躍したのは、王妃様なのよ。でも、秘密のこともあるから詳しくは聞いちゃ駄目よ」
「おー! おばあ様凄ーい!」
ジェフちゃんは王妃様を見ながら大興奮で、王妃様も満更でも無い表情でした。
一方、陛下は自分の嫁がどんな活躍をしたのかとビックリした表情でした。




