散歩の九百五十九話 赤ちゃんオオカミの成長具合
我が家に赤ちゃんオオカミがやってきて一週間が経ちました。
ちびっ子たちも一生懸命にお世話をしていて、早く元気になるようにと回復魔法をかけてあげたりしていました。
「うーん、まだかなり体が小さいけど、だいぶ元気になってきたね」
「「クーン」」
だいたい生後半月くらいなんだけど、話に聞いていたよりも体長は小さかった。
育児放棄されていた影響があるのかなと思いつつ、離乳食も始まってきたので少し一安心です。
でも、やっと目も開いてきて、よちよち歩きと転びながら歩いています。
「じゃあ、今日からご飯の前に少しだけ抱っこしてあげようね」
「「「はーい」」」
ようやく赤ちゃんオオカミと触れ合う機会を得られたので、ちびっ子たちもとても良い笑顔です。
感染症対策の為に、生活魔法でちびっ子たちの体を綺麗にしてから赤ちゃんオオカミを抱かせてあげました。
「うわあ! ちっちゃいね、可愛いね」
「キューン」
フランが黒毛の赤ちゃんオオカミを抱くと、もうニコニコが止まりません。
赤ちゃんオオカミは、時々フランの顔を見つめていました。
焦げ茶色の毛の赤ちゃんオオカミは、ノア君がしっかりと抱っこしていました。
一人五分くらいにして、交代で抱っこしてもらいます。
「「クアー」」
「赤ちゃんオオカミが眠くなったから、そろそろ寝かせてあげましょうね」
「「はーい」」
ちびっ子たちは十分に赤ちゃんオオカミを堪能し、クッションを敷いてある寝床に戻してあげました。
ほんのり温かくなる魔導具を使っているので、体温調節もバッチリとできます。
直ぐに寝てしまった赤ちゃんオオカミを、ちびっ子たちはニコリとしながら見つめていました。
まだ一緒に遊んであげるには早いので、少しずつ触れ合いを増やしましょうね。
因みに赤ちゃんオオカミのお世話は順番制で、使用人たちも可愛い赤ちゃんオオカミにメロメロなので競争率が激しいそうです。
ガイちゃんとブレアちゃんもよく赤ちゃんオオカミのことをジーっと覗き込んでいて、二人の心身の発達にもいい影響を与えています。
こうして順調に赤ちゃんオオカミは成長を始めたのですが、ちびっ子たちがこのことを王城の勉強の際にジェフちゃんたちにニコニコしながら話してしまいました。
ジェフちゃんたちも抱っこしたいと、僕の屋敷にやってきたのはいうまでもありませんでした。




