散歩の九百五十八話 早く一緒に遊びたいな
赤ちゃんオオカミは、ある程度大きくなるまでは僕たちの屋敷に連れて行って養育することになりました。
まだかなり体が小さいけど、赤ちゃんオオカミを養育するマニュアルみたいなものがあるそうです。
それに、うちの屋敷の侍従は優秀だから、任せて大丈夫です。
「「すー、すー」」
「「あうー」」
今日も二匹の赤ちゃんオオカミはバスケットの中で仲良く寄り添って寝ていて、これまた赤ちゃんのガイちゃんとブレアちゃんが僕の方を見上げながら赤ちゃんオオカミを指差していました。
今はまだお互いに触ることはできないけど、もう少しすれば赤ちゃん同士仲良く遊べるようになるはずです。
ちょいちょい。
「ねえ、パパ、いつになったらクロちゃんとムギちゃんと遊べるかな?」
赤ちゃんオオカミと触れ合いたいのはフランたちも一緒で、ヴィヴィだけでなく他の子も僕に質問してきました。
とはいえ、赤ちゃんオオカミに無理に触れ合っては負担になってしまいます。
「体が弱いから最低でも一週間は様子を見て、二週間後くらいに遊べればいいね」
「分かったの。ヴィヴィも、クロちゃんとムギちゃんに回復魔法をかけてあげるね」
ヴィヴィだけでなくフランやガード君も赤ちゃんオオカミに回復魔法をかけてあげると言っていて、何だか子どもたちが日々成長していくのを感じます。
優しい子に育っていて、感無量って感じですね。
因みに赤ちゃんオオカミをうちの馬にも見せていて、守るべき対象だと理解していました。
こんな感じで、赤ちゃんオオカミは我が家に受け入れられていきました。
そして夕食の際に、シロがとんでもないことを言ってきました。
「あのね、クロちゃんとムギちゃんが大きくなったら、アオが魔法を教えるんだって。まだちっちゃいから、来年って言っていたよ」
僕は思わず固まってしまい、ニコニコと話すシロではなく僕に向けて触手をフリフリとしているアオを見てしまいました。
アオは大丈夫だよと言っているが、うちの馬をゴブリンキングやオークキングも倒せる程の猛者に成長させた実績がある。
アオはやりすぎないと言っているが、果たしてどんな感じに教育していくのだろうか。
因みにスーはこの話を既に聞いていて、アオなら大丈夫だと言っていました。
その前に、赤ちゃんオオカミは大きくなるのがお仕事ですね。




