散歩の九百四十五話 無事に王都に到着です
冒険者ギルドの対応はもう任せればいいので、僕たちは王都に帰る準備を進めた。
もちろん、うちの馬が引く馬車に乗っていきます。
「それでは、私たちはこれで失礼します。年明けに再び会えるのを楽しみにしております」
「スーザン殿下、本当にありがとうございます。私も動けるようにリハビリを頑張ります」
見送りに来た車椅子に乗っている嫡男に、スーはガッチリと握手しました。
因みに、軍は年明けまで駐留をするそうです。
僕たちも嫡男と握手して、馬車に乗り込みました。
「「「じゃーねー」」」
ちびっ子たちは、馬車の窓を開けて嫡男に元気よく手を振りました。
後は、このまま行けば夕方前には王都に到着する予定です。
今日はちびっ子たちも勉強をせずに、道中は自由にさせる予定です。
休憩の度に話を聞いてみると、グロー伯爵領での活動が面白かったねと話をしているそうです。
王都とは違う環境での奉仕活動で、いつもと違う体験ができたのも大きそうです。
レンちゃんは、冒険者ギルドでお肉を魔法で冷凍したのが面白かったとニコニコとしていました。
魔法のいい練習にもなったし、他の人たちも冒険者ギルドでの体験は楽しかったと言っていました。
もちろん、おじいちゃんのホーネット男爵も孫の話を聞いてニコニコしていました。
そんな話をして、ちびっ子たちがお昼寝をして起きたタイミングで王都に無事に到着しました。
そして、王城に着くと直ぐに王太子様の執務室に案内されました。
「皆、お疲れだった。座ってくれ」
王太子様の執務室に着くと、ホーネット男爵の上司である農務大臣に加えて冒険者ギルドグランドマスターのクエーサーさんまで同席していました。
間違いなく、グロー伯爵領の冒険者ギルドの件ですね。
先ずは到着報告をして、農務大臣に補助金申請書を渡します。
そして、冒険者ギルドの話になりました。
「シュン君の話を聞く前に、グロー伯爵領の冒険者ギルドマスターがのこのこと王都の冒険者ギルドに顔を出したんだ。そして、シュン君の話を聞いて改めて処分する事にしたよ。私も、シュン君と同じ立場だったら冒険者ギルドの統括部門は何をしているんだと怒るはずだよ」
クエーサーさんはできるだけ言葉を選んで話してくれたけど、クエーサーさん自身もこの件は相当頭にきている様です。
そして、僕たち全員への指名依頼となり、冒険者登録していないガード君とレンちゃんへも報酬が支払われるそうです。
「ちょうど明日は冒険者ギルドの見学になっている。その際に、一緒に冒険者登録する事にしよう」
王太子様の采配もあり、この件は丸く収まりそうです。
グロー伯爵領へ冒険者ギルドの職員の更なる増員も図ることになり、これで状況が改善すれば良いなと思ってしまいました。




