散歩の九百四十三話 冒険者ギルドもヤバかった
ひたすら炊き出しの準備を進めていたので、今日はちびっ子たちがお昼寝タイムに入っても治療班に加われません。
でも、治療を受ける人は少なくなってきたので、スーとアオだけでも全然大丈夫でした。
すると、炊き出しを食べに来た冒険者があることを教えてくれました。
「肉の処理だが、ありゃ間違いなくオーバーワークが原因だな。冒険者ギルドの一部職員が、グロー伯爵に反発して辞めたんだよ。間違いなく、食肉の処理が追いついていないんだろうな」
まさか、冒険者ギルドでもグロー伯爵が問題を引き起こしていたなんて。
取り敢えず冒険者ギルドの現状を通信用魔導具で伝えると、アオにヘルプが入った。
冒険者ギルドもグロー伯爵領での職員不足は認識していて、明日朝には追加職員が来るという。
それまでの間、たまった食肉を処理して欲しいという。
アオはスライムだけど冒険者登録しているし、ある意味指名依頼みたいなものですね。
ちょうどフランも起きたので、一緒に冒険者ギルドに向かいました。
「むにゃむにゃ。あれ、アオは?」
すると、レンちゃんも起きてきてキョロキョロとアオのことを探していました。
アオが冒険者ギルドにお仕事に行ったと伝えたら、レンちゃんも見に行きたいと言ってきました。
ちょうどジョディーさんの手が空いたので、一緒に連れて行ってもらいましょう。
というか、冒険者ギルドは教会のすぐ近くにあるんだけどね。
さてさて、夕方前になると仕事を終えた人もやってくるから、炊き出しも治療もラストスパートですね。
僕もスーも、改めて気合を入れ直します。
こうして無事に炊き出しと治療は終わったのだけど、冒険者ギルドに行った面々が帰ってきません。
なので、みんなで冒険者ギルドに行って迎えにいくことに。
すると、僕たちはバックヤードに連れて行かれました。
「レンちゃん、次はこのお肉を凍らせてね」
「おまかせー!」
シュイン、バキッ!
そこでは、アオがひたすら肉の後処理をして毛皮も剥いでいて、ジョディーさんがどんどんと肉を切断していました。
最後にレンちゃんが水魔法の応用で肉を凍らせていき、フランが冷蔵魔導具に運んでいました。
うん、なんというかまだまだ処理しないといけない獲物がたくさんある。
これは良くないと思い、僕たちも分担して手伝うことになりました。
肉を浄化する作業はスーやホルン、それにヴィヴィやガード君でもできるので、僕はひたすら解体作業をすることになりました。
圧倒的に冒険者ギルドの職員が足りず、夜な夜な徹夜して解体作業を進めていたという。
明日朝の出発前に、やってくる冒険者ギルドの職員に一言言っておかないとしょうがないぞ。




