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散歩の九十三話 普段の奴隷の生活に怪しいムホウ商会

 何だかきな臭い話になってきたので、ここで普段の奴隷の生活について見せてもらった。

 僕達は、会長に商会の奥の方に案内された。


「先ずはこちらの部屋になります」

「ここは、教室ですか?」

「はい、読み書き計算ができる様に教育をしております。希望があれば、裁縫や料理なども教えております」


 大部屋に子どもの奴隷が集められていて、文字を書く練習をしていた。

 奴隷が暮らしていける様に、教育を施しているのか。


「我々は、専門的な教育を受けた奴隷の派遣を行なっております。奴隷にとっても自分の力で身分解放に繋がる事ができますし、専門教育を受けた奴隷は購入率もとても良いです」

「価値を付ける事で、奴隷を含む色々な人に利益がでる様にしているんですね」

「左様でございます」


 よく考えてみたら、奴隷商も商売だ。

 奴隷の健康管理は勿論だけど、付加価値をつけるなどの企業努力をするのは当然だろう。

 

「奴隷から解放された人を、我が家でも採用しております。とても良い働きをしていて、教育の素晴らしさを感じておりますわ」

「恐縮でございます」


 辺境伯家でも、奴隷を解放された人を多岐に渡って採用しているという。

 その道のプロフェッショナルだから、きっと凄い能力なんだろうな。


「基本的に、奴隷商で連携を取りながら教育などを行なっております。以前は教会とも連携を取っておりましたが、昨今の事情により現在は疎遠となっております」

「まあ、あれだけの高額な治療費を請求するとなれば、誰だって疎遠になるわ」


 再度会長の部屋に戻って話をするけど、教会の話がやっぱり出てきた。

 実行委員長も思わず苦笑しているけど、僕も看板に書かれた治療費を見たらびっくりするよね。


「今回、花見の時に腕の良い治療師がいるから、花見を兼ねて治療にきた方がいいぞ」

「私もその噂を聞いております。ポーションも潤沢に出回っているそうですね」


 あの、皆さん僕の方を見てニヤニヤとしないで下さいよ。

 シロは何だかわかっていない様だけど、スーは皆が僕の事をニヤニヤしているのに気がついているようだ。


「あ、あの。奴隷商で問題になっている所とかありますか?」

「おやおや、急に話題を逸らされましたね。そういえば、最近出来たばかりのムホウ商会という奴隷商に教会関係者が頻繁に立ち入っていますね」

「うん、どう考えても怪しいな。普通、奴隷商に教会関係者が頻繁に立ち入る事はないぞ」

「そうね。辺境伯家としても、その商会には注意した方が良さそうね」


 あの、名前からしてとても怪しい商会だと思うのですが。

 でも、これで教会と並ぶ要注意組織がピックアップできた訳だ。

 後は、どうやって調査するかだな。

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