散歩の九百二十九話 各貴族の捜査状況
翌朝、僕たちは準備を整えて王城に向かいます。
馬車の中で、レンちゃんはスーの膝の上にニコニコしながら乗っていました。
その代わり、僕の膝の上にはヴィヴィが乗っています。
フランたちも僕たちの膝の上に乗りたいとチラチラと見ていたが、フランたちは帰りの馬車ですよ。
こんなほのぼのとした感じで馬車は進んで行き、早々に王城に到着しました。
先に、応接室に行き王太子様から話を聞きます。
「伯爵家に関しては、買収の額も大きいし降格は免れないだろう。本人も、表面上は良い貴族や良い家族を演じていて、裏では金の亡者になっていた。嫡男も同様だが、上昇志向が強すぎたのもある」
最初に昨日捜索を行った伯爵家の件になったけど、二つの顔を使って人を騙したり犯罪を犯していた。
本人たちは二つの顔に余程の自信があったみたいだが、ひとたびバレれば脆く崩れ去った。
とはいえ、嫡男夫人の実家に支援要請の手配も済ませ、問題のある使用人は全員捕まりました。
嫡男夫人も、当主になる赤ちゃんのお世話に専念できそうですね。
「グロー伯爵は、単純に統治不能の判断で強制当主交代だな。あと、見つかった罪状が多すぎて調べるのに時間がかかる。シュンたちが再びグロー伯爵領に行くのは、もう少し先になりそうだ」
グロー伯爵はスーを襲った反逆罪の現行犯で既に貴族権限の暫定停止状態になっているけど、今日中に正式に貴族権限剥奪と強制当主交代を言い渡されるそうです。
トーリー様も家宅捜索が大変だそうで、領内にいるグロー伯爵の協力者も捕まえているそうです。
あと、僕たちが暫く王都にいると知って、フランたちは思わずホッとしていました。
「そして、今日は財務調査官の対応にあたる。捕まった財務調査官以外は問題ないと分かっているが、現場検証は継続中だ。シュン、シロ、アオは、現場に向かってもらう」
今日は、財務調査官の執務室の捜索を言い渡されたけど、シロとアオもいるなら直ぐに解決しそうです。
スーは公務があるので、そちらを優先します。
「子どもたちは、テストの準備をしていると聞いている。頑張ってもらおう」
「「「えー!」」」
王太子様がニンマリしながらちびっ子たちに話をしたけど、当のちびっ子たちは悲鳴に似た声を上げていた。
誰だってテストは嫌だけど、ここは頑張って貰わないとね。




