散歩の九百二十四話 この後の予定
荷物の搬出も無事に完了し、僕たちは王妃様と王太子様と共に王城に移動することになった。
ちびっ子たちも僕たちと一緒に行くと、僕やスーの手を繋いでいますね。
王城の応接室に到着し、これからの事を簡単に話すことになりました。
「先ずはご苦労と言っておくのじゃ。あやつは昔から怪しい噂が流れておったが、まあありとあらゆる罪が出てきたのう」
応接室に入ると、王妃様が紅茶を飲みながらしみじみと話してきた。
僕もスーもホーネット男爵も、次から次へと見つかった罪状にビックリしたもんね。
そして、王太子様が今後の事について話をしてくれた。
「押収した資料の分析と共に、財務調査をしなければならない。当面は、専門の調査官を派遣して様々な調査を行う。嫡男の体調を回復させないとならないので、治療兵も派遣させる」
とにかく屋敷にあった帳簿がデタラメなので、一からキチンと調べ直すそうです。
領地経営に必要な予算なども確認しなきとならないので、少し時間がかかりそうです。
そして、僕たちには別の依頼が来ました。
「王都に帰ってきて直ぐだが、シュンたちには財務調査官を買収した貴族家に向かって欲しい。他の財務調査官は問題ないことを子どもたちの力を借りて確認したが、とにかくこの財務調査官の取り調べを進めないとならない」
「「「確認したよー!」」」
王太子様の声に呼応するかのように、フランたちが元気よく手を挙げていた。
捕まった財務調査官の執務室を調べたけど、どうやら買収していたのはその貴族家だけだという。
鑑定魔法持ちの軍の兵も調査に同行したらしいし、フラン達の直感から逃れられるのは無理だろう。
当主や関係者は既に捕まえたけど、屋敷の捜索はまだ続いているという。
「屋敷の捜索を終えたら、そのまま帰っても良い。明日は、先ずは王城に来てくれ」
「「「わーい」」」
フラン達は、一日ぶりに僕たちと一緒に帰れると知ってかなり喜んでいた。
早く帰るためにも、屋敷の中を色々と調べないとならないですね。
「ホーネット男爵は、農務大臣に報告して対応を仰ぐように。今回の調査に関して、私の命で追加報酬を出すように申請しよう」
「過分なご配慮、畏れ入ります」
ホーネット男爵は王太子様に臣下の礼を取ったけど、熟練の官僚って感じで僕たちもとても助かりました。
ガード君とレンちゃんも、おじいちゃんを見る目が良い方向に変わっただろうね。
すると、ヴィヴィが僕の服をちょんちょんと引っ張った。
「パパ、悪い貴族の家にいつ行くの?」
「僕とスーがもう少し休んだら行くよ」
「そーなんだ。今日は、パパと一緒に寝たいなあ」
ヴィヴィだけでなく、フランたちも僕やスー、シロと一緒に寝たいと言い始めました。
一日ぶりだけど、それでも寂しい思いをしていたんだね。




