散歩の九百十七話 軍の本隊が到着しました
僕達は嫡男の部屋から出ると、捜査の続きを行っていました。
そして、程なくして軍の本隊がグロー伯爵家に到着しました。
僕達も、グロー伯爵家の屋敷の玄関に出て軍の本隊を出迎えました。
「全員整列! スーザン王女殿下に敬礼」
ザッ。
何と、軍を率いて来たのはトーリー様でした。
軍の幹部クラスを投入するということは、それだけ陛下や軍本部もグロー伯爵の対応に注目しているという証です。
整列した兵が綺麗な敬礼をし、改めて姿勢を正しました。
「各隊員は、休憩と設備点検を行った後、隊長の指示に従って行動せよ」
「「「はっ」」」
軍の本隊は到着したばかりなので、軍の兵はそれぞれ休憩に入ります。
僕達もトーリー様に情報を伝えないといけないので、屋敷の応接室に移動しました。
「トーリー様、わざわざ王都から駆けつけて頂きありがとうございます」
「気になさらないで下さい。我々も、本件は重大案件と捉えております」
トーリー様はスーと色々と話をしているけど、やはりグロー伯爵の件は重大案件扱いになったんだ。
最初は不正な補助金申請案件だったけど、今や数多くの罪状が積み重なっているもんな。
そして、簡単にこれまでの経緯をまとめた書類をトーリー様に渡しました。
トーリー様は、書類を手に取りながらふむふむと頷いていました。
「私も通信用魔導具で報告を受けておりましたが、かなり酷い状況だったのですな。住民への対応も必要ですし、何よりもこの嫡男を警護しないとなりません」
トーリー様は、書類を手にしながらかなり呆れていました。
トーリー様から見ても、グロー伯爵は当主失格みたいです。
そして、話は例の嫡男の件になりました。
「嫡男は長時間の聴取に耐えられる体ではありませんので、ご配慮頂けると助かります」
「殿下、その点はご安心下さい。この後その嫡男と会いますが、無理をさせる事はしません。私も、嫡男は重要人物と捉えておりますので」
朝も感じた懸念事項をスーが話したけど、トーリー様もその点は直ぐに理解してくれた。
トーリー様が本隊の指揮を執るなら、僕達も安心です。
その他の細々とした事を説明し、トーリー様は嫡男の所に向かいました。
さて、僕達は出発の準備をしないと。
僕達も席を立って、泊まった部屋に向かいました。
荷物は殆ど無いけど、念の為に確認しないと。
後は、本隊がグロー伯爵領に到着したと通信用魔導具で王城に連絡しておこうっと。
僕は、忘れ物確認をした後にアイテムボックスから通信用魔導具を取り出して、ポチポチと操作しました。




