散歩の九百三話 現地調査を行うことが決定です
半月後、グロー伯爵の家臣が出し直しになった補助金申請の用紙を持ってきました。
最初に出してきた申請書の控えと照らし合わせて確認すると、再申請書は問題のない範囲の金額申請となっていました。
特に改ざんした跡もないですね。
とはいえ、最初の不正申請の件があるので、現地調査は必ず行います。
「申請書は受領するが、調査に関する正式な命令も出ている。スーを団長とする調査団を派遣する。シュンも同行して貰うが、別の実験にも対応してもらう」
書類を手にしながら王太子様が今後の事を話したけど、僕に対する別件って
一体なんだろうか。
すると、王太子様はタブレットみたいな魔導具を僕に渡した。
いつもスーが使っている通信用魔導具よりも、一回り小さいなあ。
「これは、最新の通信用魔導具だ。基本的な使い方は今までも通信用魔導具と変わりないが、性能が上がって最新の機能もついている。説明書もあるから、色々テストするように」
成程、最新通信用魔導具のテストをするのか。
ちょうど王都から離れたところに行くし、スーもいるから僕に渡された通信用魔導具が万が一動かなくてもスーの通信用魔導具があるから報告には問題ありません。
後で、スーに通信用魔導具の使い方も聞いておこう。
「明日朝現地に向けて出発してもらう。二日間の予定だが、シュンの馬なら一日で着くかもしれないだろう。本日中に、グロー伯爵へ調査を行うと通告する」
「「「はっ」」」
王太子様の話を受けて、職員が一礼して慌ただしく動き始めました。
僕は旅に必要なものは全てアイテムボックスに収納してあるし、準備は不要です。
スーとは、昼食の時に色々と話をしましょう。
「連絡先は登録してありますね。なら、後は使用説明書を読んでいけばシュンさんなら直ぐに分かりますわ」
昼食を食べ終えてからスーに通信用魔導具の使い方を習ったけど、使い方は前世のタブレットと近かった。
これなら、直ぐに使いこなせそうですね。
「あっ、シロとアオは一緒に行くけどフラン達は王城でお勉強があるからお留守番ね」
「「「えー!?」」」
フラン達に決定事項を伝えたけど、キチンとした業務だしジェフちゃん達もついてきたくなるのでこればっかりは駄目です。
ジョディーさんに、フラン達の面倒をみてもらうことになりました。
屋敷の使用人もついているし、少し不在でも大丈夫ですね。
それと、シロとアオはやる気満々なんだけど、戦いに行くわけじゃないからね。




