散歩の八百八十九話 今日は新人に色々教えます
僕とシロとアオが手助けをしている捜査機関も、少しずつ人が入ってきました。
部署異動になった人もいれば、中途採用の人もいます。
そして、シロとアオも張り切って新人に色々な事を教えていました。
「えーっとね、こういう所に怪しい物が隠されていたりするんだよ。後はね、意外と堂々と本棚にあったりもするよ」
最初に、実際の捜査現場でシロとアオがどんな所に書類が隠されているかを新しく配属された人に教えていました。
基本の探す場所に加えて、シロとアオが教えたところからも数多くの書類を発見しました。
僕は、どちらかというと指揮官向けに周囲の確認方法や報告書向けの情報のまとめ方を教えていました。
うちの馬も張り切って周囲の警備をしていて、何故か他の騎士団の馬にこうするんだと教えていました。
「えーっとね、モンタージュは敢えて特徴を強調して描くんだよ!」
騎士団の施設に戻ると、今度はシロはお尋ねをするためのモンタージュの描き方をとある新人に教えていました。
絵が得意って話を休み時間に聞いたらしく、シロも一生懸命に教えています。
僕はというと、その他の人に報告書の作り方を教えていました。
資料の分析は鑑識班の役割なので、アオも一緒に教えています。
ちなみに、その鑑識班のトップが捜査機関のトップを兼ねる予定です。
「あの、シュンさんは普段はどんなお仕事をしているんですか?」
「僕は、王太子様の補佐、後は王太子様の息子のジェフちゃんの教育と教育関連の情報収集をしています。たまに、農政関連もしていますよ」
「スゲー、超エリートだ。なのに、凄く丁寧に教えてくれて助かっています」
休憩時間に中途採用の人が僕に話しかけてきたけど、この辺は謁見でも話があったりしているので全く問題ありません。
僕としては、普通にお仕事しているだけだけどね。
そんなこんなで、休憩を挟みつつ僕たちは中途採用や新人の人に色々な事を教えました。
「あと一ヶ月はヴィクトリー子爵とシロ名誉男爵が補佐をしてくれるが、それ以降は今いるメンバーで対応する事になる。しっかりと教えて貰った事を覚えるように」
「「「はい!」」」
今日の終業時にガンドフ様が訓示をおこなったけど、その話を聞いた人たちが思わず信じられないって表情でシロに話しかけていました。
「えっ、シロちゃんって名誉男爵なの?」
「そーだよ。でも、あんまり気にしないでね!」
シロらしい回答に色々な人がホッとしていたけど、アオも勲章を貰っていると知ったらまた驚きそうだね。
僕が捜査機関のお手伝いをするのもあと少しだけど、頑張ってみんなに色々な事を教えないとね。




