散歩の八百八十八話 みんなで魔法の訓練です
翌朝から、早速ガード君とレンちゃんの魔法の訓練が始まりました。
いきなり難しい事から行わずに、基礎の基礎から行います。
「じゃあ、最初はいつも通り魔力循環から行いましょうね」
「「「はーい」」」
「「ブルル」」
僕たちは庭に集まって魔法の練習をしているのだけど、いつものことながら馬も一緒にやってきました。
こう見えて、馬も毎日地道な魔法の訓練をしているんだよね。
そして、初めて魔法の訓練を行うガード君とレンちゃんには、スーが一緒に訓練方法を教えます。
「「あぶー」」
「そうだね、二人はもう少ししてからやろうね」
「「ぶー」」
僕はというと、ガイちゃんとブレアちゃんを抱っこしながら訓練の様子を眺めていました。
流石に赤ちゃんの二人を訓練に参加させられないけど、二人は目の前の魔法の訓練に興味津々です。
そんな中、いよいよガード君とレンちゃんの魔法の訓練が始まりました。
「じゃあ、私と輪になるように手を繋ぎましょうね」
「「はい!」」
最初は、基礎の基礎の魔力循環からです。
丸くなるように手をつないだら、スーが魔力を流し始めました。
「あっ、何か流れてきました」
「ほんとうだー! 温かいね!」
「これが魔力なのよ。暫くは、こうして魔力を感じながら循環させる訓練を行うわ。最初は、二人でやろうとしないで必ず誰かと一緒にやってね」
ガード君とレンちゃんは、初めての感覚におっかなびっくりですね。
でも、その感覚がとても大切になるので、頑張って覚えましょう。
一分程魔力を流したところで、スーは手を離しました。
「はい、これで今日の訓練は終了よ。一週間は毎日魔力循環を行って、それから魔力制御の訓練に行きましょうね」
「「はい!」」
スーもまだ二人が幼いのもあるので、無理な訓練は行いません。
楽しみながら、魔法の訓練を行うみたいです。
すると、馬が僕たちのところにやってきました。
シュイン、ふよーん。
「「ブルル!」」
「「わあっ!」」
すると、馬が二人の前の小さな魔力玉を幾つも作ってくるくると動かしていたのです。
目の前で起きている不思議な光景に、二人も目をまん丸にする程驚いていました。
「ふふ、このお馬さんも魔法使いの先輩として訓練を見せてあげたのね。魔力循環の次の魔力制御では、こんな感じで魔力玉のコントロールもするわよ」
「「頑張ります!」」
スーも、魔法の訓練を良いタイミングで馬が見せてくれたので、説明の手間が省かれました。
初日の訓練としては、中々良かったですね。
「「あぶー」」
「「ブルル」」
そして、今度は魔力玉にガイちゃんとブレアちゃんが興味を持って手を伸ばしていました。
馬も、赤ちゃん二人に魔力玉を触られないように上手に動かしていますね。
こうして、今朝の屋敷の庭はとても賑やかでした。




