散歩の八百八十六話 ホーネット男爵家へ
仕事終わりに、勉強を終えたシロたちと公務を終えたスーと共にホーネット男爵家に向かいました。
勿論、ガード君とレンちゃんとの顔合わせのためです。
元々ガード君は謁見に参加するためにキチンとした子ども用の貴族服を着ていたけど、レンちゃんも王城に行く時は綺麗なワンピースを着ていました。
シロたちもきちんとした服を着ているし、スーは王族らしい品の良いドレスを身にまとっています。
こういうことは、恰好からキチンとしないと駄目ですね。
ということで、無事にホーネット男爵家の屋敷に到着しました。
僕たちは、屋敷に着くと直ぐに応接室に案内されました。
ガード君はちょっと緊張していて、レンちゃんは初めての場所なのでソワソワしていますね。
ガチャ。
「おお、わざわざ来て頂き申し訳ない。しかし、妻と息子の嫁の体調がまだ良くないのだよ」
程なくしてホーネット男爵が応接室に姿を現したけど、ホーネット男爵の表情は優れなかった。
まだガード君とレンちゃん、そして亡くなった母親に対して思うところがあるのかな。
すると、ホルンとヴィヴィがすっと立ち上がった。
「体調が悪いなら、ホルンが治療してあげるよ!」
「ヴィヴィも治療する!」
「「「一緒に行くよ!」」」
シロたちもホルンとヴィヴィと一緒に立ち上がったけど、何よりもガード君とレンちゃんも何とかしたいと張り切っていた。
女性が相手なのでスーが一緒についてくれることになり、その間僕は応接室で待つ事にしました。
案内は屋敷の使用人がしてくれることになり、僕はホーネット男爵と話をすることにしました。
「こう言っては何だか、孫二人はとても強くなっていた。私たちの方が弱気でいたのだと、改めて痛感された」
「嫁ぎ先で娘さんが殺害されたのですから、それは仕方のないことです。無理に動くのではなく、ゆっくりと心の回復を行った方が良いかと思います」
「シュン殿には、本当に感謝している。こうして、孫二人だけでなく我々家族まで気にしてくれるのだから」
ホーネット男爵が僕にお礼を言ってきたけど、ホーネット男爵も心の中はかなり辛いはずだ。
でも、一人じゃなければ誰かが助けてくれるはずだし、今は僕たちがその役目なのかもしれませんね。
こうしてちびっ子たちとスーとアオが帰って来るまで、僕とホーネット男爵は様々なことを話していました。




