散歩の八百八十四話 王太子執務室での話し合い
話は王太子様の執務室にある会議室で行われるそうなので、僕は王太子様の執務室に向かいました。
「王太子様、中々仕事を手伝えなくてすみません」
「シュンに軍に行くように指示を出しているのは国だから、シュンが私に謝ることではない。しかし、相変わらずシュンは律儀だな」
王太子執務室に入って王太子様に挨拶がてら謝罪すると、王太子様は苦笑いしながら問題ないと言っていた。
でも、書類が溜まっているのは事実なので、話がある前に書類整理を終えておきます。
そして、陛下やガンドフ様に軍務大臣も王太子執務室に入ってきたので、会議室に入ってさっそく話をすることになりました。
「捜査機関は、正式に騎士団の下につくことになった。騎士団員の増強を進めているが、少なくともあと一ヶ月はかかるだろう。その間は、シュンたちは週の半分は騎士団に出向するように」
先ず軍務大臣が今後の方針を説明したけど、捜査機関は抜本的に改革することになりました。
ステージア男爵の上司を含めた捜査機関の幹部は殆どが転属となり、鑑識担当の幹部のみ残るそうです。
ガンドフ様が引き続き兼任でトップを務めるけど、そのうち捜査機関のトップを置くそうです。
「そしてステージア男爵だが、ありとあらゆる証拠を突きつけたら遂に観念したみたいだ。しかし、虚栄心の為に捜査介入などをすること自体間違っている。明日裁判が行われるが、爵位取り上げて本人達は強制労働刑になるだろう。幼い兄妹は貴族として扱われるが、兄は優秀と聞いている。今後の勉強次第では、爵位を再び与えることも検討する。馬鹿な者は要らぬが、優秀な者は幾らでも欲しいものだ」
陛下のこの辺りの考え方は、孫のジェフちゃんの周りを固める存在としてガード君のことを考えているのかもしれない。
ガード君はとても真面目で勉強も頑張っているし、きっと陛下の思う通りになる気がします。
名目上は、祖父のホーネット男爵に保護されている扱いになります。
ちなみに、ステージア男爵は全てを諦めたのか、一気に老け込んでしまったそうです。
でも、自業自得なので何も言えません。
「取り敢えず、こんなものだな。明後日謁見を開くから、その際に兄も参加させる」
形式的な意味合いもあるけど、僕とホーネット男爵が後ろ盾になりますよと周りの貴族に示さないといけないみたいです。
ステージア男爵関連の捜査で色々なことが分かったみたいだけど、それは謁見の時に教えてくれるそうです。
ということで、話はこれで終わりなので僕はガンドフ様と共に騎士団の施設に戻って押収資料の分析を再開しました。
何にせよ、ガード君とレンちゃんの今後が保証されて一安心です。




