散歩の八百八十一話 騎士団の施設へ
翌朝、僕たちは全員で馬車に乗って王城に向かいます。
王城の隣に軍の施設があるので、スーたちを王城で降ろしたらそのまま軍の施設に向かう予定です。
「じゃあ、みんなも勉強頑張ってね」
「「「いってきまーす!」」」
スーやフランたちだけでなく、ガード君とレンちゃんもみんなと一緒に馬車から降りて王城の中に入って行きました。
ガード君はフランたちの一個下なので勉強方法は問題ないけど、レンちゃんはまだ三歳です。
王太子妃様曰く、マリアちゃんに勉強を教えるのにちょうどいいタイミングでレンちゃんが来てくれたと言っていました。
レンちゃんには、言葉遊びのかるたで遊びながら勉強してもらう予定です。
僕とシロ、それにアオは、軍の施設に到着すると馬車をアイテムボックスに入れて馬と共に騎士団の施設に向かいました。
実は、馬も犯罪組織を潰すと意気込んでいるので、僕たちと一緒に行動することになりました。
うちの馬はとても賢くて強いから、かなりの戦力増強になるはずです。
馬は騎士団の施設の入り口でまるで門番のように立っているけど、騎士団はうちの馬が特別だと知っているので特に気にしません。
僕たちは、そのまま騎士団長の執務室に向かいます。
「シュンも忙しいところすまんな」
ガンドフさんは既に仕事をしていて、部下にあれこれ指示を出していました。
騎士団は二十四時間交代勤務だから、必ず誰かがいるそうです。
僕たちは応接セットに案内されて、ソファーに座って待っていました。
程なくしてガンドフさんがやってきて、この後の対応について話してくれた。
「幾つかの捜査に立ち会ってもらいたい。ステージア男爵関連の事件ではないが、捜査が停滞していた件だ。同行する者は、軍でも信頼のおける者だから問題ないだろう」
「ふふふ、シロがどんな事件でも解決しちゃうよ!」
シロとアオは何でも解決する気満々みたいなんだけど、僕たちはあくまでも捜査の補助ですよ。
それでも、一つでも多くの事件が解決できるようにしないといけません。
捜査機関に人が補充されても直ぐに専任になれるわけではないので、僕たちと一緒に経験を積むみたいです。
そして、ガンドフさんから騎士服を渡されました。
「流石に、普段の服のままで捜査に参加させられないのでな。着替えてから捜査班に合流してくれ」
「はーい」
ガンドフさんから服を受け取ると、シロは何とこの場で着替え始めてしまった。
流石にガンドフさんも苦笑しているけど、子どものすることだからと流してくれた。
僕は、部屋の隅でコソコソと着替えます。




