散歩の八百七十九話 ステージア男爵家への捜査状況
「「「行ってくるよ!」」」
「気をつけてね」
翌日も、アオとシロたちはステージア男爵家関連の捜索に向かいました。
本来ならあまりいいことじゃないんだけど、シロたちはステージア男爵家の屋敷のそこら中からたくさんの証拠品を発見したそうです。
なので、今日も屋敷の捜索を続けるそうです。
ちなみにそれとなくガード君に屋敷内でどんな暮らしをしていたのかと聞いてみたら、亡くなった母親の部屋と書斎ぐらいしか屋敷に居場所がなかったそうです。
なので、屋敷でどんな事が行われていたのかを全然知りませんでした。
そして、アオはガンドフさんのところに合流して、軍の調査機関の捜査に参加するそうです。
なので、ガード君とレンちゃんの側にはジョディーさんとノア君がついています。
と言っても、赤ちゃんのガイちゃんとブレアちゃんがガード君とレンちゃんに遊んで貰いたくてずっと側にいます。
「ステージア男爵の上司への聴取を続けているが、押収品の横流しは知らなかったみたいだ。どちらかというと、自分に不都合な捜査の打ち切りなどの対策みたいだな」
今日も僕は王城で王太子様と共に仕事をしていたけど、王太子様は何とも頭が痛い話だと言っていました。
どうやら、過去にもステージア男爵には押収品の横領で捜査の手が及んでいたみたいですけど、あの手この手を使って強引に捜査を打ち切ったみたいです。
人神教との繋がりは今のところ確認されていないけど、その辺は徹底的に調べるみたいですね。
「今のところ、ステージア男爵は自分は権力持ちでそれに見合っただけの贅沢をしているのは当たり前だと供述している」
「あの、身の丈に合わないレベルで贅沢をしているように思えるのですけど……」
「ああいう我儘で傲慢な性格の人物は、自分の欲に際限がない。既に大量の証拠品が押収されたが、まだまだ出てくるだろう」
王太子様も、まだまだこれからが本番だと踏んでいた。
そして、ここでかなり大問題が起きていた。
「ステージア男爵は、どうも亡くなった側室の遺品を売りさばいていたみたいだ。なので、逆に言うと、あの幼い兄妹に残せるものが殆どない。辛うじて、指輪やネックレスなどが数点残っている程度だ」
「幼い兄妹だけでなく、ホーネット男爵にとっても遺品がないことは辛いことですよね」
「回収できるか調査させているが、何とも言えない。それだけ、ステージア男爵が罪深いということだ」
王太子様がとても残念に言っていたけど、ガード君とレンちゃんは服も満足に着せて貰っていなかったもんね。
何とか遺品が回収できればいいけど、難しい話だろうね。




