散歩の八百七十五話 今日は王城へ
ステージア男爵家とホーネット男爵家のいざこざは、内務部局が対応してくれることになりました。
ガード君とレンちゃんは、暫くは勉強とかもしないで体調を整えることに専念してもらいます。
しっかりと動けるようになってから勉強することにしたので、当分は屋敷で過ごすことになりました。
「「あー!」」
「かわいいーなー!」
「本当に可愛いね。昔のレンみたいだ」
そんな中、庭の芝生スペースではガイちゃんとブレアちゃんがレンちゃんとガード君に興味津々に抱きついていました。
レンちゃんもブレアちゃんを抱っこしてご満悦な表情を見せていて、そんな妹の楽しそうな姿を見たガード君もとても嬉しそうですね。
ベリアさんだけでなく、何人かの使用人が子どもたちの近くにいるので僕もとても安心です。
では、そろそろ僕たちはお仕事に行きましょう。
今日はシロたちはうちの屋敷で勉強するので、僕とスーだけ王城に向かいます。
「じゃあ、行ってくるね」
「行ってきますわ」
「「いってらっしゃーい!」」
「「あー!」」
庭で遊んでいる面々に見送られながら、僕とスーを乗せた馬車は屋敷を出発しました。
程なくして王城に着くと、僕は王太子様の執務室に向かいます。
スーは、王太子妃様の代わりに公務対応ですね。
「昨日は、貴族同士のいざこざに巻き込まれて大変だったみたいだな。ホーネット男爵家は問題なさそうだが、どう見てもステージア男爵家は問題がありそうだ。暫くこちらでも調査させよう」
席に着くと王太子様が昨日の奉仕活動での件で話してくれたけど、僕もどう見てもステージア男爵家は問題ありだと思うなあ。
軍と内務部局が動いてくれるから、暫くは調査の結果待ちです。
ではでは、さっそく今日のお仕事を始めましょう。
カリカリ、ペラペラ。
カリカリ、ペラペラ。
えーっと、これがこうでこれがあーなって……
僕はドンドンと書類を処理していきますが、そういえばステージア男爵とホーネット男爵って何の仕事をしているんだろうか?
もしかしたら、王城内で両家に会えるかもしれない。
「ステージア男爵家は、一応軍属だ。ホーネット男爵家は農務部局なので、この後の会議で会うことが出来るだろう」
実は、この後王太子様と一緒に農政に関しての会議に出ます。
農政担当の人も、帝国に行った僕の意見も聞きたいそうです。
うーん、保護した翌日にホーネット男爵と会うかもしれないとは。
とにかく、現状を伝えないと行けないですね。




