散歩の八百七十四話 期間限定の家族になりました
王妃様が素早く手続きを指示したお陰で、昼食前には幼い兄妹はステージア男爵家からヴィクトリー子爵家に親権が移りました。
再び近衛騎士がステージア男爵家とホーネット男爵家に連絡を入れたが、ステージア男爵家は特に反応はなくホーネット男爵家はそのうちに挨拶に来るということになった。
その辺の話を二人の兄妹にしないといけないので、昼食時に二人に説明しましょう。
「「うーん……」」
ちょうど、二人とも起きたみたいですね。
ではでは、シロたちにも集まって貰いながら話をしましょう。
「ということで、ガード君とレンちゃんは暫くの間我が家に滞在……」
「「「わーい!」」」
「「わあっ!」」
シロたちは、僕が説明し終わる前に大喜びしていました。
ジョディーさんなんかは、何となく分かっていたみたいですね。
一方、ガード君とレンちゃんはいきなり目の前でシロたちがはしゃいじゃったので、思わずビックリしちゃいました。
シロたちが歓迎しているということは二人の素行は問題なさそうだし、特にお兄ちゃんのガード君はとっても賢そうな感じです。
レンちゃんは、お兄ちゃんにべったり甘えているって感じですね。
後で、うちの馬にも二人を紹介してあげないとね。
因みに、二人とも体調がまだ優れないので今日は一日ゆっくりしてもらいます。
こうして、少しトラブルはあったけど今日の奉仕活動も無事に終了しました。
二人も一緒に馬車に乗って、大教会から屋敷に帰ります。
王妃様も、暫くステージア男爵家の様子を確認すると言っていました。
「わあ、凄い美味しそう!」
「良い匂い!」
夕食時に歓迎の意味も込めて少し豪華な食事を用意すると、ガード君とレンちゃんは目の前の美味しそうな料理に思わず興奮していました。
美味しいって言って食べてくれて、僕もホッと一安心です。
ちなみにガード君の服はノア君の予備を、レンちゃんの服はヴィヴィの服の予備を着てもらいました。
後で御用商会にお願いして、二人の服を準備してもらわないとね。
「今晩は、みんなで一緒に寝よー!」
「「「寝よー!」」」
そして、みんなで仲良くお風呂に入って夜はシロの部屋で子どもたちが集まって寝る事になりました。
ちょっと賑やかな感じにガード君とレンちゃんは押され気味だったけど、それでも嫌ではなかったみたいです。
こうして、我が家に期間限定だけど二人の家族が増えました。
何とか、ステージア男爵家とホーネット男爵家のいざこざを解決しないといけないね。




