散歩の八百六十三話 産まれた王女様に会いに行きます
翌日、僕たちは身支度を整えて王城に向かいました。
ちなみに、既に出産祝いを渡してあるのでシロの描く赤ちゃんの絵が追加のお祝いになるそうです。
みんな赤ちゃんに会えるって思っていて、物凄くワクワクしていますね。
「スーは、もう赤ちゃんと会った?」
「ええ、会いましたわ。本当に小さくて、可愛らしい赤ちゃんです」
「「「会いたーい!」」」
スーもニコニコしているからなのか、シロたちももうニコニコが止まりません。
僕たちを乗せた馬車はあっという間に王城に到着し、スーの先導で赤ちゃんのいる部屋に向かいます。
すると、もう少しで部屋に到着するところでこれまたニコニコしているジェフちゃんが僕たちを出迎えてくれました。
「おはよー! 僕、お兄ちゃんになったんだよ!」
「「「おめでとー!」」」
ジェフちゃんの周りにシロたちが集まっていて、みんなでジェフちゃんを祝福しています。
何だか、とってもほんわかしている光景ですね。
「こっちだよー!」
そして、意気揚々とジェフちゃんが赤ちゃんのいる部屋に僕たちを案内しました。
コンコン。
「おかーさま、スーお姉ちゃんたち来たよー!」
「ええ、入って頂戴」
ガチャ。
ジェフちゃんが部屋のドアを開けると、ベッドには王太子妃様の姿がありました。
傍らには小さなベビーベッドが置いてあって、すやすやと眠っている赤ちゃんとアオの姿がありました。
アオが、ベビーベッドの柵に上がって僕たちに触手をフリフリとしていますね。
さっそく、ジェフちゃんがみんなを赤ちゃんのところに連れていきました。
「ふにゅ」
「あのね、マリアちゃんだよ!」
「「「マリアちゃん!」」」
すやすやとベビーベッドに寝ている金髪の女の子は、マリアちゃんと名付けられたそうです。
みんながベビーベッドの周りに集まっていて、マリアちゃんをニコニコしながら見ていました。
「シュンさん、アオちゃんがマリアちゃんがどんなことを訴えてくれているかを教えてくれるんですよ」
「まあアオだし、ケインちゃんの時も色々と教えてくれたからね」
「もはや、アオちゃんは凄腕のベビーシッターですね」
出産後一週間とはいえ、王太子妃様にとってアオが側にいるのはありがたいことでしょう。
スーも、少しホッとしていますね。
「ふわっ……」
「あっ、アオがマリアちゃんがお腹空いたって言っているよ!」
「あらあら、じゃあお乳を上げましょうね」
さっそくアオがマリアちゃんが何を訴えているかを教えてくれたので、王太子妃様も直ぐにマリアちゃんの側に行きました。
流石に授乳中に部屋にいる訳にはいかないので、僕は一足先に部屋の外に出ました。
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