散歩の八百六十一話 ジェフちゃんがお兄ちゃんに?
「あーあーあー!」
「あう?」
もうそろそろ夏になるある日の午前中、屋敷内をガイちゃんとブレアちゃんがハイハイしていました。
ブレアちゃんはまだよちよちなハイハイだけど、ガイちゃんはかなりハイハイも早くできるようになりました。
ベビー服の膝のところがよく汚れているけど、元気に動いている証拠ですね。
「こっちだよー!」
パチパチパチ。
そして、たまたまなんだけどジェフちゃんが屋敷に遊びに来ています。
もうそろそろ王太子妃様も第二子出産になるので、色々と準備をしているそうです。
ジェフちゃんは、赤ちゃんの面倒を見るお兄ちゃんの勉強をすると言っていました。
今日も、頑張って二人の相手をしていました。
「「あぶー、えろえろえろ……」」
「わあっ、抱きついてきた! きゃはは、舐めてきたよ!」
そして、ガイちゃんとブレアちゃんはジェフちゃんに抱きついてきて、べろべろと顔を舐めてきました。
二人ともジェフちゃんのことが大好きだから、顔を舐めているのかもしれませんね。
「ほらほら、離れましょうね」
「「ぶぅ……」」
僕が二人を抱っこしてジェフちゃんから引き離すと、二人はとても不満そうな表情を見せていた。
そして、ジェフちゃんの方はというと、二人のよだれで大変なことになっていた。
「わあ、ジェフちゃんの顔がベタベタだよ!」
「はい、タオルだよ」
「ずっと舐められちゃった」
シロとジョディーさんがジェフちゃんにタオルを渡したけど、当のジェフちゃんは赤ちゃん二人と触れ合ってとても楽しかったみたいですね。
「あっ、みんなここにいたのね」
「「「???」」」
すると、屋敷にスーが駆け込んできたのです。
あれ?
今日って、王城で公務じゃないかな。
「あのね、王太子妃様の赤ちゃんが産まれそうなのよ。だから、ジェフちゃんとアオちゃんを王城に連れて行くことになったのよ」
「「「赤ちゃん!」」」
スーのびっくり発言に、みんな驚いちゃいました。
しかも、アオも連れて行くということは、たぶん破水もしているんだね。
ジェフちゃんも、すくっと立ち上がりました。
「お兄ちゃんになるんだ!」
「ふふ、そうよ。だから、お兄様と一緒に赤ちゃんが産まれるのを待ちましょうね」
「まつよー! 楽しみ!」
こうして、スーはジェフちゃんとアオを連れてとんぼ返りしました。
今日は、何かあった時のために僕も屋敷にいた方がいいと思いました。
シロたちも、心なしかドキドキしていますね。
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