散歩の八百五十六話 次は絵を描く勉強です
休憩をしたら、今度は絵を描く勉強です。
今日は、ちょっと考えて絵を描いてみましょう。
「じゃあ、お皿の上には何もないけどリンゴがあるみたいに描いてみましょう」
「「「はーい」」」
考える力を身に着けるための勉強方法で、どんな風にリンゴを描くのかは全くの自由です。
例えば、フランはこんな感じで絵を描いていました。
「フランは、切ってあるリンゴを描いているんだね」
「そーだよ! 切ってあるリンゴの方が美味しいもん!」
如何にも食いしん坊なフランらしい絵ですね。
ホルンとジェフちゃんは模範的なリンゴの絵を描いているけど、ヴィヴィとノア君も中々面白い構図の絵を描いていました。
デンバーさんとマーナさんも、想像力を高める勉強にとても興味を持っていた。
「知識を高めることもそうですが、考える力を得るのもとても大切ですな」
「しかし、こうした勉強方法あるなんてと思うと、シュン様は本当に凄いですわ」
きっとアカデミー出身の二人だったら、もっと凄い勉強方法を思いつくと思うよ。
そして、二人はシロとアオの描いた絵を見てビックリ仰天だった。
「こ、これは……」
「凄い、目の前にリンゴがあるみたいです……」
シロとアオは、とにかく凄い絵を描くもんなあ。
今日はシンプルな絵だけど、本気になると博物館級の絵を描くもんね。
こうして、今日の勉強は無事に終了です。
「えーっと、僕はこんな感じで勉強を教えています。知識を教えるのも必要ですけど、考える力と好奇心を身に着けさせればと思っています」
「とても勉強になりました。知識というのは、まだまだ奥が深いですね」
「何よりも、とても楽しそうに勉強をしています。嫌々学んでも身になりませんが、そういうこともないですね」
どうやら、デンバーさんとマーナさんにも納得してもらう勉強方法でした。
すると、勉強部屋に王太子様が姿を見せました。
「中々いい感じに勉強が出来たみたいだな。何れにせよ、当分は二人にもジェフの家庭教師を頼みたい。やはり、ジェフが二人を信頼しているのが何よりも大きいのだ」
「「畏まりました」」
ということで、デンバーさんとマーナさんも家庭教師を続けることになりました。
もちろん、ジェフちゃんも大喜びです。
礼儀作法なども勉強しないといけないけど、この辺はフランたちにも勉強させないとね。




