散歩の八百五十五話 色々な勉強です
翌日、僕たちは朝食を食べて着替えを済ませて王城に向かいました。
もちろん、僕がみんなにどんな感じでお勉強を教えているかをデンバーさんとマーナさんに教えるためです。
王城のいつもの勉強部屋に行くと、既にジェフちゃんが今か今かとスタンバイしていました。
「ねーねー、今日は何をやるの?」
「今日はね、書き取り問題をやったらみんなで絵を描くよ」
「やったー!」
絵を描くのが大好きなジェフちゃんは、飛び跳ねんばかりに嬉しそうですね。
スーは王太子妃様の代わりの公務をやるので、王妃様のところに向かいました。
その間に、今日の勉強の準備を進めます。
「えーっとね、帝国だとこんなことをしていたんだよ」
「そーなんだ!」
僕が準備をしている間、シロたちがジェフちゃんに帝国で何をしていたかを話していました。
特に遊覧船に乗って魚の開きを作ったことに、ジェフちゃんは興味津々でした。
「「おはようございます」」
「「「おはようございます!」」」
すると、程なくしてデンバーさんとマーナさんも姿を現しました。
ではでは、さっそく勉強を始めましょう。
「今日は、みんなに問題を作りました。みんなで教え合ってもいいですよ」
「「「はーい!」」」
みんなに問題を配ると、さっそくカリカリと始めました。
いきなり予想外の光景に、デンバーさんとマーナさんはびっくり仰天です。
「人に教えるってことは、その問題をきちんと理解していないと駄目なんです。たまたまジェフちゃんと同じ歳が四人いますし、考えるってことをやってもらっています」
「教育内容も問題なさそうですし、何よりもみんながにこやかに勉強していますな」
「それに、シュン様が教えることも理にかなっていますし、とても良いですね」
デンバーさんとマーナさんは、直ぐに僕の勉強の意図を理解してくれました。
流石はアカデミー出身の先生ですね。
こうして頑張って書き取り問題をやった後は、もちろん採点も行います。
「間違いやすい文字があるから、みんなでもう一回書いてみましょう。似たような文字は、他にもたくさんあるから、間違いないようにしましょうね」
「「「はーい!」」」
こうして、無事に採点と復習も終わったので、僕は次の絵を描く勉強の準備をします。
「「「全部丸だったよ!」」」
「おお、それは凄いですな」
「よく頑張りましたね」
ジェフちゃんたちは、デンバーさんとマーナさんに花丸の解答用紙を見せていました。
ちょっとした自信を積み上げて行くことが、この後も大切ですね。




