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散歩の八十五話 皆でポーション作りその一

 薬草を沢山採ったので当面のポーション不足の心配は無くなった、と思ったら別の所からヘルプが入った。


「はあ、これはうちの家からの指名依頼だわ。薬草が沢山あるのでポーションを作る人手が足りないそうよ」


 そう話すのは冒険者のお姉さん三人組の内の魔法使いのお姉さん。

 皆でギルドに向かったら、僕達に指名依頼が入っていた。

 実は魔法使いのお姉さんの実家が薬屋さんでポーションも作っているという。

 で、昨日僕達が大量に薬草を採ったので、ポーションを作る人手が足りなくなってしまったそうだ。

 うーん、これは僕達が原因の一因でもあるのだから、皆で手伝わないといけないな。

 という事で、皆で薬屋さんに向かっていきます。


「ただいま、お父さん来たよ」

「おう、待っていたぞ」

「「「こんにちわ」」」

「いらっしゃい」


 商店街の一角に薬屋さんがあり、皆でお店に入っていく。

 うーん、お姉さんのお母さんはお姉さんにそっくりだったけど、お父さんは薬屋さんに似合わない筋肉隆々の肉体の持ち主だ。

 あのゴリラ獣人の若者が、思わずお父さんの肉体に見入ってしまっていた。


「こっちだ、ポーションを作る前の下処理が大変なんでな」


 そう言ってお父さんに連れていかれたのは、お店の裏手。

 先ずは昨日採った薬草を水で洗うのだが、もう一つ洗うものがあるそうだ。


「これだけ薬草があると瓶が足らなくてな。悪いが一緒に瓶を洗ってくれ」

「はーい」


 シロとアオが元気よく手を挙げているけど、空き瓶の数も結構あるな。

 とはいえお仕事なのだから、分担して作業を始めます。


「おい、お前はこっちだ」

「はいはい、ポーション作りね」

「おじさん、あたしも手伝うよ」

「あ、私も手伝いますよ」


 そして冒険者のお姉さんたちは、皆してポーション作りの準備に入った。

 洗い終わった薬草は、どんどん工房の中に持っていきます。


「しかし、こう見ると凄い量だな」

「これだけの薬草を採ったのは初めてだよ」


 格闘技組が薬草を洗いながら話しているけど、確かに薬草がこんもりと山になっているのは中々お目にかかれない光景だ。

 そんな中でも、手早く傷がつかない様に薬草を洗っていきます。


「シュンお兄ちゃん、洗い終わった空き瓶はどうする?」

「工房のおじさんの所に持って行ってね」

「はーい」


 そしてこっちも空き瓶が洗い終わったら、次々と工房に持っていきます。

 流石は力持ちのシロだ。

 洗い終わった空き瓶でいっぱいになった箱を、軽々と持ち上げている。

 空き瓶の数もありそうなので、午前中は洗浄で終わりそうだ。

 そう思ったら、別の仕事が舞い込んできた。


「シュンお兄ちゃん、おばちゃんがお昼ご飯を作るのを手伝ってだって」

「娘に聞いたら、このメンバーで料理ができるのって一人しかいないって言ったのよ。娘も年頃なんだから、料理の一つ位できないとね」

「ははは……」


 うん、魔法使いのお姉さんのお母さんの愚痴は聞かなかった事にしておこう。

 僕は工房の隣にある厨房に向かっていった。

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