散歩の八百四十六話 王太子妃の体調不良の原因
謁見がもう少しかかりそうな予感がするので、スーとアオは先に王太子妃様の治療に向かった。
僕たちは、スーとアオと分かれて応接室に向かった。
お茶を出して貰い、一口飲んでようやく落ち着きを取り戻しました。
「とにかく、私たちは決まったことを粛々とやるしかないですね。子どものための本を作るのは、かなり大変になりそうですけど……」
「「「たはは……」」」
多分ジェフちゃんやうちの子ども向けに作ったものをまとめれば良さそうなんだけど、どんな感じで作るかは後で担当者に聞いてみよう。
そして、随行員の面々は苦笑するだけで手伝うとは言ってくれなかった。
うん、後でアオに手伝いを頼んでみよう。
みんなで話をしていると、先に応接室にやってきたのはやはりスーとアオだった。
そして、とんでもないことを話してくれた。
「お義姉様、病気というよりか食あたりでした。しかも、オカネスキー伯爵が持ってきたものがよくなかったみたいです。ちなみに、アオちゃんが確認してくれましたが毒はなかったです」
既に使用人を通じて陛下にも連絡してあるらしいけど、気温がそこそこ高い中で食中毒対策も何もせずにした食料を妊婦に持っていくなんて。
僕たちはアイテムボックスやマジックバッグに食料をいれるけど、オカネスキー伯爵がそこまで気がきかないとは思わなかった。
そりゃ、王太子妃様も体調崩すわけだよ。
すると、今度は呆れた様子の陛下を始めとする王家と閣僚が応接室に入ってきた。
うん、かなり疲れていると直ぐに分かりますね。
「はあ、人間の言葉が通じぬものに説明をするのは、本当に骨が折れる作業よ……」
陛下がため息をつきながらソファーに座ったけど、人の言葉が通じない人って間違いなくオカネスキー伯爵のことですね。
ちなみに、オカネスキー伯爵と長男は正月の謁見をお酒を飲み過ぎて欠席しており、代わりに一番下の息子が出席していたという。
「あれ? 確か、正月の謁見の際は上位貴族は問題なかったと思いますけど……」
「オカネスキー伯爵の一番下の息子が問題ない人物なだけで、他の連中はどうしようもないということだ。先ほどの謁見の件と差し入れの件でオカネスキー伯爵には沙汰が決まるまで謹慎処分を言い渡したが、果たして素直に聞くかどうか分からん。もちろん、この後開く予定の夜会にもオカネスキー伯爵家へ招待状は送らないことにした」
なんというか、陛下が頭を抱えるレベルで駄目な貴族がいるとは。
しかも、長男も出来の悪い人物なんだよなあ。
近いうちに、絶対一波乱ありそうです。




