散歩の八百四十一話 屋敷を訪ねてきた人
ヴィクトリー男爵家から屋敷に戻り昼食を食べ終えたら、僕たちに来客がありました。
ブレアちゃんはお昼寝の時間なので、ガイちゃんとともにベビーベットにいます。
シロたちも、勉強の時間なので勉強部屋にいます。
僕とスーが応接室に行くと、よく顔を見知った人が来ていました。
「「スー、お帰りなさい」」
「ケーシー、テルマ、いらっしゃい」
やってきたのは、スーの幼馴染のケーシーさんとテルマさんだった。
どこからか、僕たちが帝国から王都に戻ってきたって聞いたのでしょうね。
僕たちは王都に到着して直ぐに王城に行っているし、貴族間のネットワークもあるでしょう。
「いい体験もできて、本当によかったですわ。レポートなども出しておりますので、後は報告の謁見を行えば全て完了です」
「確か、過激派の妨害も全く意味なかったんだよね。まあ、スーたちの本気を知らない人にとってはただの旅の一行だもんね」
「そうそう。アオちゃんはとっても強いし、他の子たちも年齢から考えられないくらい強いもんね」
三人はお菓子を食べながら仲良く話をしているけど、ケーシーさんとテルマさんは人神教のやることと僕たちの強さもよく知っているもんね。
ちなみに、お土産は帰る時に渡すそうです。
そして、三人は共通点の話をしていました。
「最近、花嫁修業をするのが本当に大変なの。礼儀作法もだけど、夜会の取り仕切り方や屋敷の運営方法と大変よ」
「お金の計算方法も難しくなってきたし、本当に頭が混乱するのよ。スーには、何でも出来るシュンさんが常に側にいるからいいよね」
「あはは……」
ケーシーさんとテルマさんのボヤキに、スーも思わず苦笑いです。
ともあれ、スーも気を使う必要のない幼馴染がいるのは良いことだと思います。
段々と三人で話に熱中することが増えたので、僕は応接室からシロたちの勉強部屋に向かいました。
「シュンお兄ちゃん、まだ勉強終わらないの?」
「あと数問あれば終わるよ」
「じゃあ、問題が終わったら応接室に行ってくるね」
シロたちは、屋敷を訪れているケーシーさんとテルマさんとお喋りしたいみたいですね。
ノア君はともかくとして、小さくても女の子だからお喋りは大好きです。
シロたちは、勉強を終えると応接室へダッシュしていきました。
この分だと、夕方まで楽しくお喋りしそうですね。
「「うにゅ……」」
僕は、勉強部屋のベビーベットで寝ているガイちゃんとブレアちゃんを眺めながら、思わず苦笑してしまいました。
そして、やはりというかガイちゃんとブレアちゃんのお昼寝が終わっても、女性陣は仲良くお喋りしていました。




